広島 今季5度目の1点差負けで最下位転落「デッドライン」超えた

[ 2020年7月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―3中日 ( 2020年7月28日    マツダ )

8回2死一塁、中日・ビシエドは右翼線二塁打で一塁走者の大島が本塁を突きアウトの判定も、中日側のリクエストが成功しセーフとなる(捕手・会沢) (撮影・奥 調)
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 広島は28日の中日戦で今季5度目の1点差負けを喫し、最下位に転落した。1点リードの8回、本塁クロスプレーが相手リクエストによって判定が覆り同点とされると、塹江を救援した菊池保が決勝の適時内野安打を許した。首位・巨人が勝ってゲーム差は今季最大8・5に広がり、過去のリーグ優勝時における最大逆転差7・5(1991年)の「デッドライン」超えた。

 悩める赤ヘルには、数センチの差でさえも味方してくれない。逆転した直後、今季初の1点差勝利に手を掛けた8回だった。2番手の塹江が2死一塁からビシエドに右翼線に二塁打を浴びた。一塁走者・大島がギャンブル気味に本塁に突入。鈴木誠―安部―会沢とつないだ中継プレーに無駄はなく一度はアウトと判定されたが、相手リクエストで無情にも判定は覆った。

 会沢が返球を受けた時、大島はまだスライディングの態勢に入っていなかった。本塁ベースをまたいで待ち構えた位置取りに問題はなかったが、一塁側にスライディングし右手で一瞬早くベースを触った大島の判断が上回る結果になり、同点を許した。

 7回に勝ち越しの適時打を放っていた会沢は「少しでも(体が走者に)当たってしまうと駄目だし、前に出ると追いタッチになる。コリジョンも考えながらのプレーだったけど、悔しい結果になった」と話したが、佐々岡監督は「コリジョンがある中で、あのタイミングでセーフになると(捕手は)難しいところがあると思う」とかばった。

 一度、相手に傾いた流れを止める力もなかった。塹江は高橋に四球を与え暴投も重なり一、三塁としたところで降板。救援した菊池保もA・マルティネスに決勝の遊撃内野安打を許した。今季の1点差試合はこれで0勝5敗となった。

 26日のDeNA戦で6点差を逆転した勢いに乗り切れず、指揮官は「おとといの流れから7回に逆転。いい流れの中で最善の策を取って逆転されたのは、なかなか乗っていけないところ。あそこを抑えると乗っていけるけれど…」と今季4度目の最下位転落に肩を落とした。

 16年からのリーグ3連覇時には貯金20以上を稼いだ本拠地で、今季は2勝8敗1分け。借金6は全てマツダスタジアムによるものだ。首位・巨人とのゲーム差は8・5に広がり、過去のリーグ優勝時における最大逆転差7・5(91年)の「デッドライン」を超えてしまった。残り89試合。逆転のカープが「V率0%」の球団史に挑む。(河合 洋介)

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2020年7月29日のニュース