青森山田、宿敵破り3年ぶり優勝 主砲・平野がV弾「“伸びろ!”と思って走りました」

[ 2020年7月29日 05:30 ]

青森大会決勝   青森山田8-5八戸学院光星 ( 2020年7月28日    青森市営 )

<青森山田・八戸学院光星>優勝して喜ぶ青森山田ナイン(撮影・河野 光希)
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は28日、全国で66試合が行われた。青森は決勝が行われ、青森山田が八戸学院光星に8―5で勝利。同点の7回に4番の平野時矢(3年)が決勝弾を放った。相手の夏3連覇を阻止して3年ぶり12度目の夏王者に輝いた同校は、東北各県の代替大会で優勝した代表校計6校による独自の東北大会(8月9~11日、宮城県)に出場する。

 悩める主砲が試合を決めた。5―5の7回。平野は決意を胸に先頭で打席に入った。「4番として一本で決める…」。思いを込めたスイングで低めの直球をすくい上げる。打球は左翼席へ放物線を描いた。ベースを回りながら右手を控えめに握り締める。ベンチでナインに祝福され、ようやく笑顔がはじけた。

 「会心の当たりではなかったですけど“伸びろ!”と思って走りました」

 準決勝まで15打数2安打で1本塁打。悩んでいた。毎試合フォームを変え「試行錯誤するうちに何が良いのかさえ分からなくなった」と不振の迷路は複雑になった。転機は前日27日の練習時に兜森崇朗(たかあき)監督から受けたアドバイス。離れ気味だったバットを体に近づけ、シンプルなスイングを心掛けるように打撃フォームを修正した。「イメージは西武の中村剛也選手。はまりました」。練習後に約5時間もバットを振り続け、急造フォームをたった1日で自分のものにした。

 平野に続き、エースで5番の小牟田龍宝も左翼に連続弾を運びリードを広げた。最速150キロ右腕は先発するも5回6安打5失点。6回から左翼の守備に就いた。「ピッチングで貢献できなかったので…時矢(平野)が打ってくれたので、流れでいきました」。インコースの変化球を完璧に捉え、高校通算19号とした。

 6回から2番手で登板した高橋が4回を無安打無失点に封じる完璧な救援でリードを守り、歓喜の時を迎えた。3年ぶりの夏制覇。必死に突き進む道は甲子園にはつながっていないが、東北大会でも全力を尽くす。(柳内 遼平)

 ▽青森山田 1918年(大7創立。中高一貫の私立校で野球部は1954年(昭29)創部。甲子園は春夏通算13度出場。OBに中日・京田陽太、阪神・木浪聖也ら。サッカー部をはじめスポーツが盛ん。所在地は青森市青葉3の13の40。花田惇校長。

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