森繁和氏 西武バッテリー、6連戦見据えた心理戦 ソフトB・柳田へ布石の内角攻め

[ 2020年6月24日 06:40 ]

パ・リーグ   西武11-3ソフトバンク ( 2020年6月23日    メットライフD )

<西・ソ>西武先発・高橋光(撮影・尾崎 有希)
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 【森繁和 視点】同一カード6連戦の初戦。布石となる一球だった。初回2死。西武バッテリーは柳田に対して初球、内角のボール球になる直球を選んだ。相手打線で最も警戒すべき打者。無走者でヒットならOKの場面だっただけに、より大胆に攻めた。変化球を2球挟み4球目も内角。2―2から最後の5球目も内角への150キロ直球だった。

 6連戦を迎えての意思表示ともいえる厳しい攻め。最後はシュート回転してわずかに甘く入り、柳田は右越え二塁打を放った。3回1死二塁でも1、2球目は内角へボール球になる直球。この攻めを布石として最初にしておけば、その後の配球で相手を惑わせることができる。6連戦を見据えた心理戦だった。

 開幕カードはともに1勝2敗。ソフトバンクは計5得点、西武は計6得点と打線が低調だった。いかに眠らせたままにするか。勝負の鉄則だが、ソフトバンクは打率・071のスパンジェンバーグを目覚めさせた。早いカウントから積極的に打つタイプ。2回の満塁本塁打も1ボールからの2球目、直球を狙われた。外国人の投手が外国人の野手を攻めるのは、実は難しい。メジャーでの格、実績はムーアが上。首を振って力で抑えにいったが、プライドが邪魔をしたのかもしれない。

 西武は11安打で11得点。打線に火が付いたようにも映るが森、山川の主軸はまだ本調子ではない。残り5試合。主導権の奪い合いはまだ続く。

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2020年6月23日のニュース