7・10から球場観戦再開!まずは最大5000人、8月1日からは収容人数の50%めどに

[ 2020年6月23日 05:30 ]

2014年に、交流戦の優勝を決めてスタンドのファンとともに万歳三唱する巨人ナイン

 プロ野球は22日、12球団代表者会議をオンラインで開き、7月10日から観客を入れて公式戦を開催する方針を決めた。政府の目安に倣い、最大5000人がめどとなる。直前に行ったJリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議では、運営方法などを協議し、改めて「ウィズコロナ」の新たな応援スタイルの構築を求められた。従来と違う新様式を、ファンも強く意識しなければならない。

 政府のイベント開催制限の段階的緩和の目安では、プロスポーツは7月10日から最大で5000人か収容人数の50%の少ない方とし、8月1日からは収容人数の50%をめどとしている。無観客での開幕3連戦を終えた斉藤惇コミッショナーは、次のステップを目指す考えを宣言した。

 「政府関係者からも、7月10日からお客さんを入れていくと宣言していいと言葉を頂いている。よほどのことがない限り、代表者会議でも10日からお客さんを入れる準備をしようとなっている」

 当面の目標は政府の指針に倣い「上限5000人」。ただ、地域によって感染状況にばらつきがある。各都道府県知事との調整も必要。「自治体との相談になるが、少し差が出る可能性はあるだろうなと思う」とした。

 球場の熱気がすぐ元に戻るわけではない。3月の段階から、応援歌や鳴り物入りの応援スタイルは変化の必要が指摘されてきた。「本当に終息すれば、昔の応援風景も復活すると思う。それまでは新たな応援スタイルで」と専門家チーム座長の賀来満夫氏。観戦者の発症時に求められる追跡システムは世界標準となりつつあるが、斉藤コミッショナーは「以前に住所が分かるようにするとか話は出たが、何らかの方法を考えないと。今から検討です」と明かす。客席の間引き方や入場券の販売は、球場により異なる形状などに応じた措置が必要で、各球団ごとの対応となる。販売の告知を含めて「可及的速やかにやらないといけない」と続けた。

 最寄り駅の混雑を避ける調整も必要。制限を提言されていたアルコール販売は、全国的に提供の自粛緩和が進んでおり「以前とは状況が違うのではないかと。先生方にご検討をお願いした」と再検討される。有観客時のガイドラインも6月中を目標に作成を急いでいる。「ウィズコロナ」の在り方を求め、足を止めることはできない。 (後藤 茂樹)

 《23日に甲子園で有観客テスト》23日のウエスタン・リーグ、阪神―オリックス(甲子園)で有観客開催のテストが行われる。地元のファンクラブ会員ら300人の来場協力を得て、マスク着用やサーモグラフィーの検温など、感染対策を確認する。「保健所とも相談し、確認しながらやっていく」と阪神の谷本修球団本部長。日本野球機構の井原事務局長は「事務局からも人を出す。有観客ガイドラインに反映させるものもあるかと期待している」と話している。

 ◇観客に対しての主な感染予防策◇
■サーモグラフィー等を利用した入場時の検温
■球場内でのマスク着用の呼び掛け
■マスクを着用できないため喫煙所を使用禁止
■流行国・地域から帰国した方の立ち入り制限
■食品および飲料販売の抑制(例えば客席でのビールなど飲料販売を全面的にやめる、ビール販売員の削減など)
 ※5月22日公表の専門家チーム提言ver.2から。

 ◇検討を要するもの◇
■タオルを回す、横に広げ左右に振る

 ◇中程度のリスクが考えられるもの◇
■応援団の声の指揮による歌唱や拍手
■応援団の太鼓リードによる声援や拍手
■プレーのたびの拍手や通常の声援

 ◇高いリスクが考えられるもの◇
■肩組み、跳びはねなど集団での動き
■ジェット風船
■メガホンを打ち鳴らしながらの応援
■トランペット、ホイッスルなどの鳴り物や指笛
■観客のハイタッチ
■立ったり座ったりを繰り返す集団での動き
■大小のフラッグ
■両手をメガホン代わりにした大声

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