【夢のご当地オールスター・東北、北海道編】厳しい寒さに鍛えられて全国屈指の投手王国

[ 2020年5月24日 07:00 ]

夢球宴北海道・東北メンバー
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 メジャーのスカウトたちが、最も注目している地区が「IWATE」だ。エンゼルスの大谷翔平、マリナーズの菊池雄星(いずれも花巻東)を輩出。今季デビューが確実視される「令和の怪物」佐々木朗希(大船渡)も岩手が育てた160キロ右腕だ。春夏ともに甲子園優勝はまだない東北勢だが、この地域は好投手の産地である。

 秋田では日本ハム吉田輝星(金足農)がいる。阪急で通算284勝のサブマリン山田久志(能代)は、その大先輩だ。ソフトバンクで活躍した摂津正(秋田経法大付)、現役ではヤクルトの左のエースとして171勝をあげている石川雅規(秋田商)もいる。

 青森では甲子園決勝で延長18回引き分け再試合のドラマを生んだ太田幸司(三沢)。宮城では大魔神・佐々木主浩(東北)、MAX161キロの記録を持つ佐藤由規(仙台育英)、横浜とメジャー5球団でプレーした斎藤隆(東北)、現役では西武、楽天でローテの中心になった岸孝之(名取北)もいる。

 山形を代表する投手は南海で通算221勝の皆川睦雄(米沢西)。福島からは大洋のエースで134勝の遠藤一彦(学法石川)が出ている。北海道を代表するのがロシア生まれ、旭川育ちのプロ野球史上初の300勝投手、ヴィクトル・スタルヒン(旭川中)。プロ通算176勝の星野伸之(旭川工)、165勝の佐藤義則(函館有斗)の阪急コンビと、留萌市出身のメジャー経験者・五十嵐亮太(千葉敬愛)らで豪華投手陣ができ上がる。

 エース格はドリームチームらしく夢を見たい。甲子園出場はなく、プロでもまだ未勝利。それでも東北の野球界の明日を背負う佐々木を軸に据えた。大先輩たちのサポートを受けながら、日本を代表する速球投手に成長していく姿を見届けたい。捕手は岩手出身で、戦前の社会人、函館太洋倶楽部でプレーした久慈次郎を選出した。全日本では沢村ともバッテリーを組んだが、プロ入りせず、39年に試合中の事故で他界。今も都市対抗野球の「久慈賞」に名を残す名選手だ。

 打線の援護は3冠王・落合博満(秋田工)が中心になる。高校時代は退部と復帰を7回繰り返し、東洋大も中退。紆余(うよ)曲折を経て、社会人・東芝府中で才能を開花させた打者が、プロでは3度の3冠王に輝いた。二刀流の大谷、そして巨人のヤッターマン・中畑清(安積商)、近鉄、巨人でプレーした石井浩郎(秋田)らと組む打線はパワフル。北海道からはヤクルトで2度の首位打者を獲得した「小さな大打者」若松勉(北海)。中日などで活躍した函館出身の森徹(早大学院)は59年に本塁打、打点の2冠を獲得。広島黄金時代のスイッチヒッター高橋慶彦(城西)も芦別市の出身で、メンバー入りした。

 監督としてベンチ入りするのは東北を代表する世界のアスリート、フィギュアスケート男子の羽生結弦(東北)だ。観客動員もこれで万全。ラッキーセブンにはくまのプーさんがスタンドを飛び交うはずだ。(鈴木 光)
 

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