福岡・筑陽学園 19日から練習再開も…中村主将「本当につらい」

[ 2020年5月21日 05:30 ]

夏の甲子園、地方大会中止

<福岡・筑陽学園>江口監督の話を聞く選手たち
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 夏の甲子園大会中止決定を受け、前回大会に福岡県代表として出場した筑陽学園の江口祐司監督が20日、福岡県夜須町のグラウンドで取材に応じ「(高野連は)苦渋の決断をされたと思う。残念な気持ちですが、決定を受け止めて前を向かないといけない」と心境を語った。昨秋の県大会初戦で敗れ、指揮官の「夏に向けて基礎からやり直そう」という掛け声のもと目標にしていたが、憧れの舞台に立つチャンスは失われてしまった。

 緊急事態宣言が発令され、筑陽学園は4月9日から休校の措置を取った。昨夏の甲子園に2年生ながらレギュラーとして出場した中村敢晴主将は部の活動自粛中、SNSや電話でチームメートと連絡を取った。夏の甲子園中止が検討されているという報道を目にしても「あると信じてやろう」と励ましてきたが現実は厳しかった。

 「父子V」の夢は戦わずして消えた。中村の父・寿博さん(現日本文理大監督)は、西日本短大付が92年夏に全国制覇した時の主将だ。「最後の代で父に並ぶ目標がなくなったのは本当につらい。去年の夏に大勢の(観客の)中でプレーする経験をさせてもらったので(後輩たちを)甲子園に連れていきたかった」と無念さをにじませた。

 前日19日に練習を再開し、この日3年生29人が約1カ月ぶりに顔をそろえたばかりだった。「楽しい雰囲気でやれた。仲間っていいなと改めて実感しました」と中村主将。夢舞台には立てないが、かけがえのない仲間がいる。3年生は勉強と両立させる形で練習を継続する予定。江口監督は「3年生と接する時間をこれからつくらないといけない」と教え子に寄り添っていきたいと話した。

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2020年5月21日のニュース