高野連・八田会長、異例の長文メッセージ「甲子園を目指した球児という栄冠は永遠に輝いています」

[ 2020年5月21日 05:30 ]

夏の甲子園、地方大会中止

甲子園球場外周にある歴代優勝校のプレートにある「米騒動のため本大会中止」の文字(撮影・後藤 正志)
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 日本高野連・八田英二会長(71)は「苦渋の決断をお伝えしないといけない悲しい日になった。痛恨の極み」と言葉を絞り出した。

 「高校野球は教育の一環を旨とする限り、皆さんの心身の健全な発育と安全確保が最優先課題。これが担保されていなければ、成立しない」

 無観客開催を想定し、収入ゼロとなった場合の支出状況等も調査するなど、最後まで可能性を模索した。しかし、いまだ休校中や練習を再開していない学校が多く、地方大会までに練習時間を確保できない。各地方で感染状況に差があり、出場49代表がそろうことが不可能になるケースもある。移動や宿泊のリスクも拭えなかった。

 政府から出された緊急事態宣言は今月14日に39県で解除が決まり、継続している8都道府県の解除も21日に検討される。時期尚早の声も聞かれる状況下で決断した。

 「第2波、第3波は確実に来るだろう。終息の見込みが立たない。長期的なコロナとの闘いになるだろうし、選手の安全安心に重点を置くと、開催の方にはいかない」

 各都道府県が独自で地方大会を行うことについては、各都道府県高野連の判断に任せると説明。その上で「専門家の知見、アドバイス、ガイドラインなどがあるので相談に応じるし、財政的な支援もする」とした。

 八田会長は異例の長文メッセージを発表し、球児たちにエールを送った。「落胆しないでください。皆さんが甲子園を目指した球児という栄冠は永遠に輝いています」。多くの球児が高校野球の集大成と位置付ける最後の夏は失われた。それでも人生は続いていく。

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