3年生球児に花道を――強豪校の監督動く、各地方で独自試合プラン続々

[ 2020年5月21日 06:00 ]

夏の甲子園、地方大会中止

夏の甲子園大会が中止となり、会見で3年生を思い言葉に詰まる県岐商・鍛治舎監督(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 各都道府県の高野連では独自に地方大会を開催するべく、今後の会議などで開催プランを練り上げる。その一方で、強豪校の監督たちは、独自の試合を実施して「3年生の花道」をつくろうと、動き出した。

 夏の甲子園大会で34度の出場を誇る龍谷大平安(京都)の原田英彦監督(60)は、緊急事態宣言が解除されることを前提に真剣勝負の場を設ける考えだ。6月に愛工大名電(愛知)、高知、天理(奈良)、帝京(東京)、広島商など、甲子園でも常連の各校と練習試合を予定。「全国の強豪と真剣勝負できる場をつくりたい。3年生だけで」と言葉に力を込めた。

 県岐阜商・鍛治舎巧監督(69)は「岐阜県の高野連の方には、個人的に県独自の大会をやってほしいと伝えています」と話した上で、「夢をつなぐという意味で言えば、県大会で終わらずに、東海4県で決勝に残った8校くらいで東海大会というのをやってもらうことが可能であれば、目標を持って、日々の勉強と野球に取り組めるとは思っています」と語った。

 東北でも、仙台育英(宮城)の須江航監督(37)は「絶対に何か具体的な行動を起こしてあげないと。今、やらないと駄目」と力を込めた。センバツ出場予定だった鶴岡東(山形)、磐城(福島)とともに東北3チームでの「限定センバツ」を模索する。公式戦さながらにアナウンスや実況を付け、ネット配信も行いながらの試合を企画中だ。

 野球を離れ、違う道を模索する球児もいるが、高校野球関係者は「1試合でも多く試合をやらせてあげたい」という思いでつながっている。

続きを表示

この記事のフォト

2020年5月21日のニュース