智弁和歌山名誉監督・高嶋仁氏、球児の思いに胸痛め「どんな形でも3年生にプレーするチャンスを」

[ 2020年5月21日 05:30 ]

夏の甲子園、地方大会中止

智弁和歌山名誉監督・高嶋仁氏
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 第102回全国高校野球選手権大会の中止が決まり、甲子園大会で監督歴代最多68勝を挙げた智弁和歌山名誉監督の高嶋仁氏(73)がスポニチ本紙を通じて、高校球児にメッセージを送った。

 残念だろう。悔しいだろう。今はショックで、どんな言葉も耳に入ってこないかもしれない。春に続き夏の甲子園も中止。この夏に懸けていた君たちの思いが、伝わってくる。胸が痛む。

 それでも、君たちなら乗り越えることができると信じている。新型コロナウイルスの恐怖を感じ、学校も野球部の活動も休止となる中、希望を捨てなかった。君たちは負けてはいない。長い人生ではいろんなことが起こる。この試練をプラスに変えてほしいと思う。

 しっかりと時間をかけて、気持ちを切り替えてほしい。体は鍛えられていても、まだ高校生。「何でオレたちだけ」「もういいわ」という考えも出てくるだろう。君たちを見守ってきた監督や部長、保護者の人たちと話をすることが、乗り越えるための第一歩だ。みんなで支えてもらいたい。

 各地方大会も中止となり、代替開催は各地方高野連の判断に委ねられた。これからの検討課題だが、どんな形でも3年生たちにプレーするチャンスを少しでも与えてほしいというのが私の願いだ。最後まで知恵を絞ってもらいたい。

 試合の有無は進路にも関係してくる。3年間野球に打ち込み、これからも大学や社会人で続けたいという希望を持った選手には、そうした環境を与えることができるように、周囲も取り組んでほしい。能力をアピールするセレクションなどの機会も増やすことができればありがたい。君たちと一緒に球界も前を向いていくしかないのだから。

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2020年5月21日のニュース