嶋、覚悟のヤクルト入団 「野球に飢えています」経験を惜しみなくチームへ

[ 2019年12月14日 10:00 ]

ヤクルトの嶋(撮影・西尾 大助)
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 楽天を退団した嶋基宏捕手(34)が、ヤクルトに加わった。4日には都内の球団事務所を訪れ、正式契約。「ワクワク、ドキドキ。一番最初に声をかけてくれ、一番熱意を感じた。それに応えたい」。眼はまっすぐと前を向き、言葉には自然と力がこもっていた。

 嶋といえば「東北の象徴」のような選手である。11年3月11日の東日本大震災時には選手会長としてチームをまとめ上げ、困難に立ち向かった。4月2日の慈善試合ではスピーチに立ち、日本中に勇気と感動を与えた。「見せましょう、野球の底力を」というフレーズは印象的だった。

 その嶋が東北を離れ、東京に活躍の場を求めた。「楽天での13年間は心の奥底にしまって、また別のものとしてやっていく。ここから新たな僕の野球人生が始まる。今日から新しいスタート」。契約後の会見で古巣の球団と支えてくれたファンに感謝の思いを伝え、同時に覚悟を決めた。

 戦力としての期待だけでなく、若手投手の育成にもつながってくる。楽天時代は現ヤンキースの田中とバッテリーを組み、ともに成長を遂げた。2人は06年の同期入団だったが、ヤクルトには“同期入団”としてドラフト1位の奥川(星稜)がいる。まだ面識もないことからコメントは慎重だったが「一緒に成長できたら」と話した表情から、心待ちにする心境が感じ取れた。

 ヤクルトは、楽天・美馬、ソフトバンク・福田とFA戦線に敗れた。外国人補強を中心に進める一方で、経験豊富な扇の要を獲得することには成功した。今季の正捕手は中村だったが、併用するのかも含めて、高津新監督の起用法にも注目は集まる。今シーズンは腰の怪我などで自己ワーストの57試合出場にとどまった嶋。「野球に飢えています」。最下位からの脱却に、ベテラン捕手が経験を惜しみなく披露する。(記者コラム・川手 達矢)

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