イチロー氏、指導者に!来年2・8誕生「お役に立てれば」資格回復制度研修初日、真剣5時間

[ 2019年12月14日 05:30 ]

受講するイチロー氏(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 マリナーズなどで活躍し、今年3月に現役を引退したイチロー氏(46=マ軍会長付特別補佐兼インストラクター)が13日、都内で行われた「学生野球資格回復制度」の研修会に出席した。15日までの研修を修了し、資格回復が認められれば来年2月8日から高校野球などの指導が可能になる。本来は所属球団を退団していることが条件だが、イチロー氏は球団での活動をしない期間を届け出るなどして「特例」での指導がOKとなる。

 研修会にはプロ野球OBを中心に127人が出席。座席表には本名で「鈴木一朗」と記されていた。イチロー氏は午後1時から研修が始まる直前、他の出席者とは別の入り口から会場へ。日米通算4367安打のレジェンドの登場に会場はざわめきに包まれたという。同氏は紺のスーツ姿。真剣な表情で講義の内容に聞き入っていた。

 「お役に立てれば、と思っています」――。イチロー氏は強い決意を持って受講した。今年夏、同氏の事務所を通じて日本野球機構(NPB)、日本学生野球協会に研修を受けたい旨が伝えられた。その際に本人の考え方、趣旨などが書かれた申請書が提出され、日本高校野球連盟の田名部和裕理事は「“お役に立ちたい”と書かれていた。日本というか世界の宝ですし、驚いた。日本の学生野球の振興のためにお手伝いいただくのは本当にうれしい」と話した。

 イチロー氏は現在、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターの肩書を持つ。研修は今年から現役の監督、選手、球団スタッフらも受講可能となったが、実際に資格を回復して指導するには球団を退団することが必要だ。その問題をクリアするために、NPBと日本学生野球協会は複数回にわたって協議。同氏が日米の野球界に残した歴史的な業績や、かつスカウト活動を行っていない点などを考慮し、球団業務に携わらない時期を明確にすることでマ軍を退団せずとも指導を行えることになった。

 具体的にはオフの10月~2月など、球団の肩書で活動しない期間を署名入りで届け出る。その期間に限定する形で即、指導がOKになった。「イチロー特例」は今月6日の日本学生野球協会の理事会で承認された。

 この日はプロ側の研修で、イチロー氏は午後6時までの約5時間、さまざまな講義を受けた。周囲には熱心にペンを取る音が聞こえ、愛工大名電の後輩らからあいさつされるシーンもあった。15日にアマ側の研修が修了。来年2月7日の審査を経て翌8日からアマチュア野球を指導できる。母校はもちろん、草野球で関係の深い智弁和歌山、全国の高校、大学…。本人の取材対応はなかったが「イチロー監督」への第一歩がしるされた日となった。(鈴木 勝巳)

 《受講は球団在籍中でも可》
 ▽学生野球資格回復制度研修会
 プロ野球経験者が高校や大学で野球を教える資格を、短期間で回復するために創設された。プロ野球側の選手の引き抜きなどによってできた学生野球側との断絶の時代があり、13年以前は元プロ選手が指導するためには「中学、高校での2年以上の教諭歴」などの制限があった。しかし、13年の学生野球憲章の改正によって、アマチュア資格回復の制限が大幅に緩和。翌14年からプロ側と学生野球側が行う研修を受け、適性審査を経て資格回復が認められるようになった。今年からプロ球団に在籍中の監督、コーチ、選手らの受講も可能に。

 ◇「学生野球資格」取得までの流れ◇
 19年12月13日 NPBプロ研修会を受講 ⇒ 14日 学生野球研修会を受講 15日 同上。研修終了 ⇒ 20年2月7日 日本学生野球協会の審査 ⇒ 2月8日 資格回復。指導可能に

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年12月14日のニュース