センバツ21世紀枠 西日本から5校候補 古豪・敦賀59年ぶり聖地へ吉報待つ

[ 2019年12月14日 05:30 ]

近畿地区推薦校に選ばれた伊香ナイン
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 日本高野連は13日、第92回選抜高校野球大会(来年3月19日から13日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。近大高専(三重)以外の8校は公立校。秋季栃木県大会ベスト8の宇都宮(栃木)は県内屈指の進学校で1924年夏以来、96年ぶりの甲子園出場へ春の知らせを待つ。出場3校は、一般選考の29校(神宮大会枠を含む)とともに、来年1月24日の選考委員会で決まる。

 <北信越地区 福井・敦賀>古豪が59年ぶりの春に一歩、近づいた。制限された練習時間、環境を克服し北信越大会で1勝。25人の選手全員に全ポジションを教え、平等に出場機会を与えるなど「プレーヤーズフューチャーファースト」の考えが高く評価された。元阪神で野球殿堂入りした松木謙治郎氏の母校で春4回、夏17回の甲子園大会出場を誇る。平井良樹部長は「敦賀は野球熱の高い土地。敦賀商の頃から応援してくれている方もいる」と話した。

 <近畿地区 滋賀・伊香>選手18人全員が地元出身。学校創設当時、地元住民3万人の尽力で校地が用意されたことが由来の「三万一心」を建学の精神とするだけに小島義博監督は「地元密着の学校が評価されたのはうれしい」と喜んだ。140キロ右腕の隼瀬一樹(2年)は、同校が最後に甲子園出場した87年春夏当時に在籍した父・大典さんの影響で伊香に進んだ。「まだまだレベルアップしないと」と聖地での投球を見据えた。

 <中国地区 島根・平田>他の8校が初の地区推薦となる中、2年連続3回目の地区推薦校に選出された。身上の「攻めの守備」を原動力に島根2位で中国大会に出場し、1勝をマーク。野球人口の減少に歯止めをかけるなどの目的で部内に「普及班」を設置。地域の幼稚園・保育園の年中・年長児全員に自作のチラシを配り、希望者を募集し体育館で野球体験会を行うなどの活動も行う。春夏通じて初の甲子園出場へ、植田悟監督は「枝葉のことより根を広く深く。基本練習を続けていけばセンバツにも夏にも生きてくると思う」と話した。

 <四国地区 徳島・城東> 県内屈指の進学校が春夏通じて初の甲子園大会出場の可能性を残した。創立117年ながら創部は1996年。練習場所の吉野川河川敷運動広場の草抜きから部の歴史は始まり、校門前やグラウンド周辺の清掃は今でも引き継がれる。勉学のみならず、今年初めて秋季四国大会に出場し準々決勝に進むなど、力を付けてきた。鎌田啓幸監督は「甲子園の可能性がある以上、より高いレベルを目指して練習していきたい」と力を込めた。

 <九州地区 沖縄・本部>初の甲子園出場に一歩前進だ。選手17人、その9割が人口約1万3000人の町内出身で幼少期からの知り合いというチームワークを武器に秋季大会ではベスト8まで勝ち上がった。宮城岳幸監督は「(候補校に挙がるのは)寝耳に水だが、本当にうれしい」と話した。沖縄勢の21世紀枠出場となれば、01年の宜野座以来となる。「出場できれば選手と勝ち上がって頑張りたい」と意気込んだ。

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるために01年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味する。秋季都道府県大会16強(加盟129校以上の場合は32強)以上を条件に全国9地区から1校ずつ候補校として推薦。東(北信越、東海以東)、西(近畿以西)から1校ずつ、残り7校から3校目を選ぶ。

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