石岡一、富岡西が初の甲子園出場 熊本西は85年夏以来の聖地 選抜21世紀枠3校決定

[ 2019年1月25日 15:00 ]

選抜高校野球21世紀枠推薦理由説明会の開会を告げる齋藤善也・毎日新聞大阪本社代表
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 第91回選抜高校野球大会(3月23日から4月3日までの12日間、準々決勝翌日の休養日を含む)の出場32校を決める選考委員会が25日、毎日新聞大阪本社で開かれ、今大会の出場校を発表。21世紀枠として、石岡一(茨城)、富岡西(徳島)、熊本西(熊本)の3校の出場が決まった。

 石岡一と富岡西は春夏通じて初めての甲子園出場。農学校が母体の県立高の石岡一は、放課後は農業実習があるなど全体練習が難しい環境の中、昨秋の県大会で今年の甲子園出場校、明秀学園日立と土浦日大を倒して4強入り。農業を通じた「新しい形の文武両道を示す可能性がある」などとして評価された。

 また、富岡西は、徳島阿南市にある進学校で、グラウンドはサッカー、ホッケー部などと共用で使うなど限定された環境で力を付けてきた。試験で“赤点”を取った選手はベンチ外とするなど厳しい方針で文武両道を実践。同市が「野球を通じた町づくり」を進める上で、1896年創立の地域密着型の伝統校が重要な役割を果たしている、として高い評価を受けた。

 熊本西は85年の夏以来2度目、春は初となる甲子園切符となった。選手たちは中学生だった2016年4月に起こった熊本地震で被災、大半が避難生活を送りながらボランティア活動を行うなど困難克服に努めた。昨年11月の練習試合中、秋の大会でベンチ入りしていた2年生外野手が頭部に死球を受けて亡くなるという悲しい出来事もあったが、亡き友の思いとともに34年ぶりの聖地に乗り込む。

 21世紀枠は困難な条件の克服や地域貢献など他校の模範となるべき要素を選考基準に加えて選考される特別出場枠。昨年12月14日に最終選考に残った9校が発表されていた。

 全32校は、午後4時ごろまでには発表される見込み。一般選考では29校を選出し、地区別の出場枠は北海道2(神宮大会枠を含む)、東北2、関東・東京6、北信越2、東海2、近畿6、中国・四国5、九州4。

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるために01年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味する。秋季都道府県大会16強(加盟129校以上の場合は32強)以上を条件に全国9地区から1校ずつ候補校として推薦。東(北信越、東海以東)、西(近畿以西)から1校ずつ、残り7校から3校目を選ぶ。

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