星稜150キロ右腕・奥川“ゴジラ超え”全国制覇宣言「新しい歴史をつくれたら」

[ 2019年1月25日 22:39 ]

「全国制覇」に向け気合十分の星稜・奥川(撮影・大森 寛明)
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 昨秋の北信越大会を制し“前哨戦”ともいえる明治神宮大会で準優勝した星稜(石川)が2年連続13回目の選抜出場を満場一致で決めた。優勝候補の筆頭として甲子園に乗り込むことになる。星稜浮沈のカギを握るのはエース・奥川恭伸(2年)。高校生投手四天王の一人にも数えられる150キロ右腕は2年連続の朗報を普段の穏やかな笑顔で聞いていた。

 「平成最後の甲子園ということで新しい歴史をつくれたらいいなあと思います」

 静かな語り口だが、言葉の中身はか烈。偉大な先輩、松井秀喜氏も成し遂げられなかった石川県勢初の全国制覇を堂々と宣言した。

 藤蔭(大分)と対戦した昨夏の100回記念大会開幕戦で自己最速の150キロを計測した。甲子園で球速が表示されるようになった2004年以降、2年生時に150キロ以上を記録したのは2005年田中将大(駒大苫小牧)、2011年大谷翔平(花巻東)、2013年安楽智大(済美)、2018年井上広輝(日大三)と奥川のわずか5人。奥川以前の3人はその後、ドラフト1位でプロ入りを果たし、田中、大谷の2人は世界最高峰の米大リーグへ活躍の場を移した。

 明るい未来を約束された「150キロ右腕」の金看板。根尾昂(大阪桐蔭)、吉田輝星(金足農)らが名を連ねた昨夏の高校日本代表にも2年生でただ1人選出されたが、奥川に慢心やおごりはない。ともに今春の選抜に出場する四天王唯一の左腕・及川雅貴(横浜)には「左であれだけ投げられるのは…。正直、別格、別次元。この選抜で結果を出して少しでも近づきたい」とひたすら謙虚に挑戦者の姿勢は崩さない。今月5日からスタートさせた連日60球の投げ込みと「詳しい内容は言えません」と笑う瞬発系も織り交ぜた秘密の走り込みメニューでスタミナ強化と投球の精度向上を目指している。

 「いつも負けの記憶ばっかりなんで今度は勝って記憶に残りたいと思ってます」

 一時は6点をリードしながら延長15回の激闘の末、大会史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打で敗れた昨夏の済美戦(2回戦)をはじめ多くの“悲劇”を高校野球史に刻んできた星稜。勝利を重ねて歓喜のドラマの主人公に。奥川の右腕が星稜の歴史を塗り替える。

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2019年1月25日のニュース