阪神・原口、大腸がん公表 近日中に手術「動揺したが、今は使命と思える」

[ 2019年1月25日 05:30 ]

10年目の今季は正捕手の期待もあった阪神・原口
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 阪神の原口文仁捕手(26)が24日、大腸がんを患っていることを明かした。昨年末に人間ドックを受診し、年明けに発覚。この日の午後に自身のツイッターで公表した。近日中に手術を受ける予定。ショックの大きさは計り知れない中でも気丈に前を向き、早期復帰を目指してリハビリに入る決意を表明した。

 残酷過ぎる現実を突きつけられても、原口は前だけを見据えた。これがプロ野球選手としての自身に与えられた試練なら、絶対に乗り越えて球場に戻る。大病であることを直筆の文章であえて公表し、チームのため、ファンのため、そして愛する家族のために、早期復帰を誓った。

 「病名を聞いた時はさすがに驚き、動揺したのは事実です。しかし今は、プロ野球選手という立場でこの病気になった事を自分の使命だと思えます。僕には大切な家族や応援してくださるファンの方々、共に戦う仲間がいます。常に前だけを向いて進んでいきます」

 発覚したのは、昨年末に受診した人間ドックの診断結果が届いた年明けだった。「大腸がん」―。26歳の若者には現実味を感じることさえ困難な診断を受けた時のショックは、想像もできない。ただ、いつまでも下を向いている原口ではなかった。野球人生が終わったわけではない。周りには支えてくれる人がいる。がんという難敵を打ち倒し、さらに強くなってみせると自らを鼓舞した。

 「同じがん患者の方々、またその家族の方々にとっても少しでも夢や希望となれるよう精いっぱい治療に励みたいと思っています」

 今後の見通しは、近日中に予定する手術を受けてからでないとわからない。春季キャンプも不参加。それでも「リハビリに励んで、早期の実戦復帰を目指します」とあくまで前向きな言葉をツイッターにつづった。

 09年ドラフト6位で帝京から入団。12年オフには育成選手契約となるも、16年4月末に支配下再登録を勝ち取ると打力を武器に一気にブレークし、「シンデレラボーイ」と呼ばれた。昨季は代打の切り札に定着。驚異的な勝負強さを発揮し、桧山進次郎氏に並ぶシーズン23本の代打安打数の球団タイ記録をマークした。今季も正捕手を目指す一方で「代打の神様」としての期待も大きかった。

 原口の投稿を受け、球団も発表。もちろん、全面的に復帰をサポートする方針だ。これまでも“育成落ち”など多くの試練を克服してきた原口。必死に、ひたむきに取り組んできた姿を、野球の神様は知っている。 (山添 晴治)

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2019年1月25日のニュース