阪神・福留、今季ナゴヤ1号「うれしい」初回古巣からV2ラン

[ 2018年8月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―2中日 ( 2018年8月22日    ナゴヤD )

初回1死二塁、福留は先制となる右越え2ランを放つ(撮影・椎名 航)
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 打球の行方を確認する必要はなかった。両手に残った心地よい感触。ひと振りで変わったドームの空気。初回1死二塁、阪神・福留が中日先発・小熊の初球真っすぐを完ぺきに打ち抜いた。理想的な弾道で右翼席中段に飛び込んだ12日DeNA戦以来の12号は先制、そして決勝の2ランとなった。

 「いい形で点が取れたのは良かったと思うし、いい先制点になった。積極的に行こうとは常に思ってやっていることだし、それがいい結果になったのは良かったです」

 役者が違った。休養目的で相手先発が左腕だった19日のヤクルト戦と21日中日戦はベンチスタート。チームはその2戦ともに先制を許し、8月初の連敗を喫していた。3試合ぶりのスタメン復帰で、第1打席の初球を先制弾。今の猛虎に一番必要だった先手必勝の勢いを注入し、ナゴヤドームでの連敗を5で止めた。自身が先発を外れた次の試合は53打数17安打の打率・321、3本塁打、9打点。ベンチの配慮に見事に応えている。

 古巣での一発に格別の思いがあった。中日時代の9年間を過ごした名古屋には今でもマンションを所有しており、遠征のたびに掃除や手入れに足を運ぶ。「水道の水も入れ替えておかないといけないからね」。ナゴヤドームでかつての先輩が評論家として訪れていると、真っ先にあいさつに向かう。愛着ある古巣での今季1号に「試合数自体が少ないし、そんなに打てるもんじゃないんでうれしい」と笑みがこぼれた。

 7月27日から始まった長期ロードでは、53打数20安打の打率・371、5本塁打、15打点。虎党とすれば毎日その勇姿をおがみたいところだが、適度な休養が明らかにプラスとなっている。ただし、今週いっぱいでロードが終わり、シーズンも大詰めを迎える。本当の勝負どころを迎えれば「リミッター」を外す準備はできている。(山添 晴治)

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2018年8月23日のニュース