猛暑対策へ来夏ナイタ―開催も 一番暑い時間避ける“京都方式”検討

[ 2018年8月23日 09:30 ]

京都大会で行われたナイター方式の試合
Photo By スポニチ

 【メモリアル甲子園総括 100回目の夏を終えて(中)】記録的な猛暑が襲った今夏。今大会も地方大会レベルから影響が及び、各県高野連や日本高野連、大会本部も対応に追われた。

 今年は記念大会による出場校増のため17日間だったが来夏は15日間に戻る。来年以降も暑さは増すと予想する関係者は「休養時間を設定したり、一日4試合で開催するにしても、一番暑い時間帯を避ける“京都方式”も一つの方法」と新たなプランを口にした。聖地としての甲子園は替えが利かないことを前提とし、第3試合以降の開始時間を2時間半遅らせた京都大会の例を参考にし、ナイター開催も検討する。

 開会式では選手にペットボトルの水が配布され、全出場校の行進が終わると式典を一時止めて水分補給の時間を設けた。また、試合中に負傷した選手の治療で中断が長引くと判断した場合は全員を一度ベンチに戻して水分補給。無人のグラウンドに観客が違和感を覚えないように「選手が水分補強をいたします」とアナウンスもした。応援団や観客に向けての配慮もあった。日本気象協会に熱中症予防の啓発活動を依頼したほか、アルプススタンドに霧状の水を噴出する散水機を3台ずつ用意。さらに大型扇風機やミスト扇風機を多数設置した。

 大会本部は今年から大会中に救護室で取り扱った件数を発表。総件数は623。病院に搬送された件数は40件あった。そのうち熱中症、日射病の疑いがあるとされた選手、観客は合計328人にのぼった。出場校関係者からは「サプリを飲んだり睡眠をしっかりとるなど対策は結構してきたつもりだったがまったく効果がなかった」という声も聞いた。

 暑さ対策を各校で行うのには限界もある。全県を巻き込み、今年よりもさらに大規模な暑さ対策が求められる。(高校野球取材班)

 ▽京都方式 今夏の京都大会準々決勝で猛暑による選手や審判の健康面を考慮し、試合開始時刻を変更。第1、2試合は午前8時30分から順次行い、第2試合終了後に休憩時間を挟んだ。2時間半繰り下げて第3試合を午後4時、第4試合を午後6時30分開始とした。第3試合が長引き、第4試合は午後7時1分開始。終了は午後10時37分だった。

続きを表示

2018年8月23日のニュース