仙台育英・小濃 ソフトB上林から託された初安打かなわず…「必ず戻ってくる」

[ 2018年8月13日 08:40 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第8日・2回戦   仙台育英0―9浦和学院 ( 2018年8月12日    甲子園 )

<仙台育英・浦和学院>6回、見逃し三振に倒れる仙台育英・小濃(撮影・田中 健作)
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 【メモリアル・メモリーズ】仙台育英(宮城)の2年生4番・小濃(おのう)の目に涙がにじんだ。浦和学院の校歌が響き、スコアボードに浮かぶ0―9。5年前の雪辱をされた。

 「何もできなかった。3年生の夏を終わらせてしまった」。名前は「塁」。父・芳勝さん(50)が「ホームランを打てる強い男になれ」と思いを込めて名付けた。自宅で指導してくれた父。ソフトボール経験を生かしてキャッチボールの相手してくれた叔母。「甲子園で打つのが恩返し」と誓っていた。

 奮い立つ出来事がもう一つあった。浦和学院と5年ぶりの対戦が決まると、早坂和晋部長に呼ばれた。電話を代わって出ると声の主は当時の4番・上林(現ソフトバンク)だった。5年前は勝ったが、上林は無安打。「小濃君に託したよ」。憧れの先輩からの激励に胸が熱くなった。

 だが、甲子園は甘くなかった。渡辺の速球を打てず、4打数無安打3三振。来夏に向け「あの真っすぐを一発で仕留められるようになって、必ずここに戻ってくる」と誓った。 (松井 いつき)

 ◆小濃 塁(おのう・るい)2001年(平13)8月11日生まれ、福島県出身の17歳。小4から浅川ファイヤーズで野球を始める。浅川中軟式野球部を経て、仙台育英に進学。今夏の宮城大会からベンチ入りし、打率・348をマーク。家族は両親と姉。1メートル70、75キロ。右投げ左打ち。

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