浦和学院 仙台育英に雪辱 教訓生かし4投手完封リレー

[ 2018年8月13日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第8日・2回戦   浦和学院9―0仙台育英 ( 2018年8月12日    甲子園 )

<仙台育英・浦和学院>初回を抑え、吠える浦和学院・渡辺(撮影・近藤 大暉)
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 リベンジへの執念が立ち直らせた。浦和学院(南埼玉)のエース渡辺は初回、先頭を含めて2死球を与えた。1死一、三塁のピンチを招いたが、4番・小濃を空振り三振。続く5番・小関には自己最速タイの149キロ直球を投じ、最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。

 「連続三振で切り抜けられてからリズムをつくっていけた」。6回を投げ、わずか3安打で7三振を奪った。

 前回出場した13年。春夏連覇が懸かったが、初戦で仙台育英に10―11でサヨナラ負けを喫した。5年ぶりの再戦が決まると、森士監督は当時の試合のビデオを取り寄せ、練習移動中に選手に何度も試合を見せた。渡辺も「借りを返してやる」と気持ちを高めた。指揮官からの「5年前のことはおまえたちには関係ない。自分たちの野球をしてくれ」という言葉もあり「気負うことなく楽な気持ちで投げられた」と振り返る。

 仲間への恩返しもあった。1年の冬。厳しい練習や環境の変化、投球も振るわず「何で野球やってるのかな」。寮生活だったが実家に帰り、野球から離れた。現主将の蛭間らからは「ゆっくりでもいいから戻ってこいよ」。自分の帰りを待つ声に励まされ、1カ月後には復帰した。1メートル90のプロ注目の大型右腕で、大谷(エンゼルス)を「足の上げ方や体重移動は参考にしている」と言う。昨夏まで144キロだった最速は、1年で5キロアップした。

 森監督は渡辺を6回90球で交代させ、4投手で完封リレー。5年前はエース小島(現早大)が9回途中に足がつり、降板後に敗れた。その教訓を生かした指揮官は「OB含めてこの一戦に懸ける思いが(この結果に)つながってくれたのかなと思う」と涙を流した。 (武本 万里絵)

 ◆渡辺 勇太朗(わたなべ・ゆうたろう)2000年(平12)9月21日生まれ、埼玉県羽生市出身の17歳。小1から野球を始め、小林ブラックスでは投手兼捕手としてプレー。羽生東中軟式野球部では投手として活躍し、中2の夏に埼玉県大会優勝。高校では1年秋からベンチ入り。1メートル90、90キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄2人。

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