近江の左腕・林が好投 今大会では無失点 最後は女房役の有馬がサヨナラ打

[ 2018年8月13日 17:33 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第9日・2回戦   近江4―3前橋育英 ( 2018年8月13日    甲子園 )

<近江・前橋育英>9回無死満塁、サヨナラの中前適時打を放ち、大きくガッツポーズする近江・有馬(手前右)(撮影・近藤大暉)
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 第100回全国高校野球選手権大会第9日は13日、甲子園球場で2回戦の3試合が行われ、第3試合では5回からマウンドに立った近江(滋賀)の2番手、左腕・林優樹(2年)が好投。大きく曲がるカーブと右打者を幻惑するチェンジアップを駆使して打者21人に対してわずか2安打しか許さなかった。3―3で迎えた9回表に背負った2死1、2塁のピンチでも冷静に対処。前橋育英の6番・丸山大河(2年)を1ゴロに仕留めて相手にホームを踏ませなかった。

 近江は敵失を足場にし無死満塁とした9回に捕手で6番の有馬諒(2年)の中前タイムリーで劇的なサヨナラ勝ち。「最高の気分です。ベンチから“楽しんでいけ”と声をかけられたので、思い切って振りました」と、林を支えた女房役は笑顔を見せ「ベスト8以上が目標です」と、準優勝した2001年以来となる3回戦突破にむけて意欲をのぞかせた。

 近江の多賀章仁監督は「林に尽きます。あれが彼本来のピッチング。まだ2年生ですが大舞台でよくやってくれました。相手の右打者はチェンジアップにタイミングが合っていませんでしたね」と巧みに変化球を操って流れを変えた2年生左腕の奮闘を高く評価。この日は智弁和歌山戦で3番手として登板した右腕の佐合大輔(3年)が先発し、2回表に3点を許して追う展開となっていたが、林が悪い流れを断ち切って勝利をもたらした。

 林は初戦でも2番手として登板し、3回1/3を投げて無失点。速球は130キロ台の前半だが、柔らかなフォームから繰り出すカーブとチェンジアップで打者を幻惑し、夏の甲子園ではここまで9回1/3で被安打6、奪三振9で失点0という好投を続けている。

 一方、前橋育英の荒井直樹監督は「恩田は粘り強く投げてくれました。最後は守りのミス。いい面も悪い面も出た試合となりました」と敗戦の弁。初戦の近大付戦で完封を達成しているエース・恩田慧吾(3年)は9回無死満塁の場面で足がつってしまい、いったんベンチに下がったものの続投。しかしマウンドに戻ってからの初球となる143球目を有馬にはじき返されて涙を飲んだ。

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