熊本地震から2年3カ月…藤崎台球場・葵管理課長 夢の球宴まで語る

[ 2018年7月15日 06:07 ]

マイナビオールスターゲーム2018第2戦   全セ1―5全パ ( 2018年7月14日    熊本・リブワーク藤崎台 )

<全セ・全パ>ほぼ復旧工事を終了した藤崎台球場のセンターバックスクリーン付近(撮影・北條 貴史)
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 あの震災から約2年3カ月。熊本に球宴がやってきた。藤崎台球場の葵大二郎管理課長(52)は「感無量ですね。今、球場は熊本地震の前とほぼ同じ姿になっていますから」。あの瞬間のことを考えれば、球宴開催など夢のまた夢だった。

 16年4月、最大震度7の巨大地震に襲われた。球場の被害も甚大だった。照明灯からは重さ8キロの器具3個が落下。左翼場外の石垣は、幅30メートルにわたって約1メートルも膨張し、いつ崩落してもおかしくなかった。結局、基盤を整えた上で、もう一度、一から組み直した。スタンドの屋根を支える支柱も湾曲。10本近くを取り換えた。

 「工事は時間がかかった。人手不足だったり、資材が入らなかったり…」と葵課長。それでも「野球で熊本に元気を」という県側の方針に後押しされ、3カ月後には左翼スタンドは立ち入り禁止ながら、夏の甲子園の熊本大会を開催。今ではほぼ復旧工事は終了している。

 そんな中、びくともしなかったのが左翼席裏手にあるクスノキの巨樹だ。樹齢1000年。国の天然記念物に指定されており「さすが1000年。グっと根を張っているのでしょう」と葵課長。球宴では、外野席に地元の子供約3300人が招待された。子供たちの笑顔を、クスノキは見守っている。

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2018年7月15日のニュース