巨人・上原“メジャー流球宴”体現 お祭りでも「楽しむ」より「結果」

[ 2018年7月15日 09:00 ]

マイナビオールスターゲーム2018第2戦   全セ1―5全パ ( 2018年7月14日    熊本・リブワーク藤崎台 )

<全セ・全パ>2回を無失点に抑え、青木(左端)と笑顔でタッチする菅野(撮影・北條 貴史)
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 【夢舞台 帰ってきた男たち(3)】今年のオールスターゲームの「顔」である元メジャーリーガー3人衆にスポットを当てた球宴企画第3弾は、10年ぶりに巨人復帰した上原浩治投手(43)の独占手記。メジャーでも球宴経験があるベテランが、投手では史上最年長となる43歳で出場した11年ぶり夢舞台への思いを語った。

 出場に伴う成績を挙げることができていないので複雑でしたが、ファンの方には凄く感謝しています。とにかく抑えたかった。それだけです。16年に、この熊本で地震がありました。今年6月には大阪で大きな地震があり、自分の実家も被害があった。今は西日本豪雨でたくさんの人が苦しんでいる。そういう方たちにメッセージを伝えることができたらと思っていました。

 日本のオールスターの思い出は、1年目のイチローさんとの対戦です。古田さんのサインに首を振って、フォークを投げてホームランを打たれた。捕手のサインにあまり首を振らない方がいいのかなって感じましたね(笑い)。実はインコース真っすぐのサインを出されたんです。ちょっと当てそうな気がしたので、それで首を振りました。オールスターで内角というのは、投げにくかったんですよ。

 14年にメジャーでオールスターに初出場しました。日本では「お祭り」と表現されることがありますが、アメリカはそういう表現をしていません。試合になったら、本当に真剣勝負。試合中の選手には笑顔もなかった。日本のように「真っすぐだけ」とか、そういうこともなかったです。1試合だけですし、みんな真剣に抑えにいく、真剣に打ちにいくという感じでした。打者1人に対して、4球目のスプリットで空振り三振を奪いました。ちなみに、お祭りムードというのは、前日のホームラン競争だけでした。

 日本球界に10年ぶりに復帰し、個々のレベルが上がっていると感じます。器用な選手が増えたな、と。投手で言えば、みんないろんな変化球を投げるので、凄く器用だなと感じる。自分は多くの球種を投げられないので。9年間のメジャーでの経験が、今に生きていると思います。何がどう生きているかは分からないですが、やっぱりその経験が大きいと思います。

 同期入団の松坂投手とは1年目の球宴で投げ合い、お互いに日本球界に復帰してから、初めての球宴出場。不思議な縁を感じます。今年で20年目になりますけど、お互い現役を続けていますから。その中で、こうやってオールスターで同じ舞台に立てるというのは不思議な感じもするし「お互い、まだ頑張ってやっているんだな」という気持ちもあります。

 オールスターはシーズンとは別物。自分の野球人生の経験値を上げるような舞台なんです。「楽しむ」という表現も、少し違うのかなと思う。出るからには、結果は出したいという気持ちがありました。 (読売ジャイアンツ投手)

 ≪史上最年長登板「ゼロだったのでOK」≫07年以来11年ぶりの出場となった全セ・上原(巨人)は6回からマウンドに上がり、1回15球を投げ1安打無失点。球宴史上最年長の43歳3カ月での登板に「(記録は)うれしいとは思わないです」と言いながらも、「ゼロだったのでOK。本当に暑かったですね。みなさん喜んでくれたので良かった」と振り返った。

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