【熊本】来春閉校の多良木 16強進出 “宣誓男”の先制適時打で勢い

[ 2018年7月15日 05:57 ]

第100回全国高校野球選手権熊本大会2回戦   多良木14―1鹿本商工 ( 2018年7月14日    県営八代 )

 タイムリーな“宣誓男”の先制適時打で来春閉校する多良木が、一気に勢い付いた。背番号「3」を付けた平野光主将(3年)は「6番・右翼」で出場。初回2死二、三塁で中前に先制の2点適時打を放った。

 「何とか1本出て良かったし勝ちにも貢献できた。基本に立ち返ったのが良かった」。

 優等生コメントだが、1回戦の八代工戦はチームは12安打10得点で快勝も、主将は先発組では唯一の無安打だった。中2日の練習で、コンパクトなスイングを続けてきた。2点リードの3回2死でも教科書通りの中前打。2安打3打点で、16強入りの口火となった。

 野球部はメンバー18人と女子マネ6人の計24人。いずれも3年生で同級生の全校生徒は67人。「授業に支障が出てくる」とのことで毎試合、43人は全校応援を続ける。人口約9400人の多良木町唯一の高校は、来年3月に閉校。その最後の夏に選手宣誓を引き当てた平野主将は“持ってる男”として話題となり、7月1日のリブワーク藤崎台球場での開会式で大声で叫んだ。

 「今年度で多良木高校野球部は歴史に幕を閉じます。しかし高校野球の精神や地域へ感謝の思いは必ず次の100年につながっていくものと確信しています」。

 22年間、多良木野球部に関わっている斎藤健二郎監督(69)は平野の活躍に「あんまり、気にしませんでしたが」とスルー気味だったが、ナインも乗った。初戦1安打だった「7番・一塁」の中村も3打数3安打1打点と調子を上げた。中村は「平野の頑張りを見ていたし、思いやりのある監督と、最後の多良木で甲子園に行きたい思いで打ちました」。平野主将は「勝って地域の人と、監督さんに感謝を伝え続けたいです」。次戦はシードの有明と、8強入りをかけてぶつかる。

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2018年7月15日のニュース