JR西日本 豪雨被害の広島に勇気 元中日・藤沢が汚名返上サヨナラ打

[ 2018年7月15日 05:30 ]

スポニチ後援第89回都市対抗野球第2日・ 1回戦   JR西日本5―4JR北海道硬式野球クラブ ( 2018年7月14日    東京ドーム )

<JR北海道硬式野球クラブ・JR西日本>9回2死一、二塁、サヨナラ打を放ちナインに祝福されるJR西日本・藤沢(左端)(撮影・大塚 徹)
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 1回戦3試合が行われ、JR西日本(広島市)がJR北海道硬式野球クラブ(札幌市)にサヨナラ勝ちした。元中日の藤沢拓斗内野手(28)が9回に試合を決めた。王子(春日井市)はSUBARU(太田市)を延長13回タイブレークの末に下し、JR四国(高松市)はHonda(狭山市)を3―1で振り切った。

 悔しさと、ふがいなさと、広島への思い。強い気持ちを乗せた藤沢の打球が中前で弾んだ。「絶対に決めてやろうと思っていました」。サヨナラで初戦突破を決め、安どの笑みがこぼれた。

 8回を終えて4―0も、9回無死三塁から藤沢が松浦の三ゴロをファンブル。1点を返され、代打・斉藤の同点3ランを招いた。それでも、取り返すチャンスがすぐ訪れた。

 9回、前打者の田中友が申告敬遠で歩かされて1死一、二塁。そこまで4打数無安打といいところがなかったが「自分のミスから同点とされたし、目の前で敬遠されて火が付いた。絶対に負けん」と気持ちを高めた。太田のスライダーを狙い打ちし、試合を決めた。

 拠点の広島は西日本豪雨の被害が甚大だった。「野球をやっていいのかという気持ちもあったが、出る以上は全力でやらないと申し訳ない」と花本輝雄監督。広島市に出場報告を行った際にも「明るい話題を提供してください」と送り出された。練習場や寮に被害はなかったが、同僚たちは土砂に覆われた路線の復旧作業に明け暮れる。ヘルメットには「がんばろう!広島」のステッカーを貼った。

 藤沢は「目標は日本一。そして被災された方々に勇気を与えられるように全力で戦っていきたい」と表情を引き締めた。満開の笑顔はお預け。地元を背負い、戦いは続いていく。 (町田 利衣)

 ▼JR北海道硬式野球クラブ・孤塚賢浩監督(9回追いつくもサヨナラ負け)勝たせてあげたかった。序盤のチャンスを生かせていたら結果は変わっていたかもしれない。

 ◆藤沢 拓斗(ふじさわ・たくと)1990年(平2)5月27日生まれ、大分県宇佐市出身の28歳。柳ケ浦では甲子園出場経験はなし。西濃運輸を経て、13年ドラフト6位で中日入団。1軍での出場経験はないまま15年オフに戦力外通告を受け、16年からJR西日本でプレー。1メートル74、82キロ。右投げ左打ち。

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