“救世主”ナバーロ、満点猛虎デビュー!9回代打で痛烈適時打

[ 2018年6月30日 08:20 ]

セ・リーグ   阪神9―10ヤクルト ( 2018年6月29日    神宮 )

9回1死三塁、代打・ナバーロは右越え適時打を放ち小さくガッツポーズ(撮影・岩崎 哲也)
Photo By スポニチ

 名刺代わりのひと振りだ!阪神の新外国人、エフレン・ナバーロ内野手(32=カブス傘下3A)が29日、ヤクルト戦の9回1死三塁で代打デビュー。守護神・石山からいきなり右越え安打した。この一打で9―10まで追い上げたものの惜敗。それでもまばゆい光を放って、救世主の期待を集めた。

 痛烈なライナーが右翼線へ伸びた。金本監督が、チームメートが、そしてファンが期待を込めて見つめた初打席。2点を追う9回1死三塁で代打という厳しい状況をものともせず、ナバーロが見事な適時打で猛虎デビューを果たした。

 「スコアラーがいい情報をくれていたので、心の準備をして、しっかり頭の整理をして打席に入れたよ。相手のクローザーというのも知っていたし、フォークが得意という情報もあった」

 米国とは全く違う球場の雰囲気。神宮はもちろん、ナイトゲームも来日後初体験だった。緊張するなという方が無理といった場面でも、経験豊富な苦労人は落ち着いていた。初球の低めのフォークを見極め、2球目は見逃しストライク。3球目の145キロの直球には振り遅れ気味の空振りで追い込まれたが、ここからがしぶとい。直球はファウルしながらタイミングを合わせ、ボール球のフォークは見極めての7球目。少し高めに浮いた相手のウイニングショットを仕留めた。

 待望のデビューだった。不動の4番という構想だったロサリオのまさかの不振で球団が緊急補強に動き、今月15日に獲得発表。翌16日に来日後、事務手続きや3試合の2軍調整を経てこの日に1軍に昇格した。スタメン起用こそ見送られたが、絶好の場面での代打デビュー。阪神の助っ人では16年ヘイグ以来の初打席適時打で、敵地にも多数詰めかけた虎党の心をつかんだ。

 「初めての雰囲気。すごくエネルギーを送ってくれて、感激に近い気持ちだよ」

 メジャーではドラフト50巡目で指名され、コツコツとキャリアを積み上げてきた。メジャー通算3発と華々しい実績はなくても、地道な練習で身につけた技術と、冷静な判断力が魅力だ。人柄も至って紳士。この日の試合前練習ではフリー打撃で投げてくれた打撃投手にペコリとお辞儀し、日本語で「オツカレサマデス」とあいさつ。慣れない文化にも積極的に適応しようとしている。

 審判の判定を巡って荒れた試合となったこともあり、金本監督は「期待しています、はい」と短く一言だけ。ただ、30日にもスタメンデビューする可能性も十分で、今後へ期待は大きく膨らんだ。

続きを表示

2018年6月30日のニュース