斎藤隆氏が見たWS 改めて感じた王者になる難しさ

[ 2016年11月4日 12:00 ]

NHK―BSのゲスト解説として全7戦を観戦した斎藤隆氏

 メジャーでも7年間プレーした斎藤隆氏(46)が、歴史的なワールドシリーズを振り返った。NHK―BSのゲスト解説として全7戦を観戦。今年はパドレスの編成本部付インターンとして、フロント留学を経験した斎藤氏が見た頂上決戦は――。

 誰がこんな結末を予想したでしょうか。第7戦までもつれ込み、そして9回でも決着つかず。最後はカブスに108年ぶりの歓喜が訪れましたが、両チームに力の差はなかったと思います。ほんのわずかな差が勝者と敗者を分けました。

 108年間、待ち続けたシカゴ市民の思いというものを、今回は肌で感じることができました。ワールドシリーズ出場自体が71年ぶり。第3~5戦が行われたリグリー・フィールドの熱気は言葉では表現できないほどで、球場の外もチケットを買うことができなかったファンでごった返していました。彼らは球場に入れないことが分かっていて、同じ空気を体感するために集まってきた人たち。第5戦に勝利し、本拠地で勝った時の凱歌「GO CUBS GO」を3万人が大合唱したのは鳥肌もので、みんな感極まっていました。

 1914年完成のリグリー・フィールドは何度もプレーしましたが、外から初めて見ると、歴史の重みを再認識しました。球場と道を挟んだビルの屋上にある、有名な「ルーフトップ・シート」にも上りました。暗闇の中にカクテル光線を浴びて浮かび上がる緑の芝、そして外野フェンスを覆う蔦(つた)。タイムスリップしたような感覚で、まさしく古き良き時代のボールパークでした。

 私は今年1年間、パドレスでフロントの勉強をさせていただき、MLBのビジネスとしてのやり方も目の当たりにしてきました。MLBは分配制度など、30球団の戦力均衡化を図ることで、急成長を遂げてきましたが、なぜか長い間、チャンピオンから遠ざかっていたのがカブスとインディアンス。その2球団が勝ち上がってきたというだけでも、歴史的なシリーズだったと思います。

 そして、改めて感じたのは、ワールドチャンピオンになる難しさ。これだけの名門チームがたどり着くまでに108年もかかった。どれだけ遠い道のりなんだろう、と。私はメジャーで7年間プレーしましたが、とんでもないものを目指していたのだと思いました。(元レッドソックス投手)

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