カブス108年ぶり世界一!「ヤギの呪い」と完全決別

[ 2016年11月4日 05:30 ]

ワールドシリーズ第7戦 ( 2016年11月2日    クリーブランド )

108年ぶりにワールドシリーズを制したカブス(AP)

 1世紀を超える悲願が成就――。カブスは2日(日本時間3日)、インディアンスとの第7戦を延長10回の末に8―7で競り勝ち、1908年以来108年ぶりのワールドチャンピオンに輝いた。北米4大スポーツ史上最長ブランクとなる優勝。MVPには10回に決勝打を放ったベン・ゾブリスト内野手(35)が選ばれた。出場登録を外れ、ベンチから応援した川崎宗則内野手(35)も歓喜の面持ち。オフにはFAとなり国内復帰する可能性もあり、その場合は古巣ソフトバンク復帰が確実視される。

 世界で一番遠ざかっていた世界一を、ついにつかんだ。10回に1点返され、なお2死一塁。モンゴメリーが、最後の打者マルティネスを三ゴロに仕留めた。雨天中断も含め4時間45分に及ぶ死闘。108年ぶりの歓喜にカブスが酔った。

 「これだけ面白くて、勝つのが難しいシリーズはなかっただろう。107年の間にも努力や苦労はあった。過去を忘れずに、次へ進みたい」

 シリーズ初制覇のジョー・マドン監督は歴史をかみしめた。1勝3敗からの3連勝。5―1の5回、先発ヘンドリックスが初四球を与えると、第5戦に先発したレスターを2番手で起用。しかし、暴投の間に2失点。3点リードの8回2死一塁では守護神チャプマンを3連投で投入したが、2ランなどを浴びて追いつかれた。

 それでも最後に前所属のレイズ時代からの愛弟子が救ってくれた。10回1死二塁からリゾが敬遠されたが、ゾブリストが決勝の左翼線二塁打を放ち勝ち越した。MVPに選ばれ、ロイヤルズに在籍した昨季に続く世界一に「打球が抜けて、やったと叫んだ」と喜んだ。

 9回終了後には雨で17分間の中断。選手だけでミーティングを行い、右翼手ヘイワードが「自信を持て。結果を恐れるな」と演説した。救援失敗のチャプマンは泣き崩れたが、他の選手も涙ながらに「おまえのために絶対勝つ」と誓った。直後の勝ち越し劇だった。

 1908年を最後に、ワールドシリーズに7度進出も頂点に届かず。ヤギを連れたファンを退去させ、「呪い」がかけられたとされる1945年以降はシリーズ進出もできなかった。71年ぶりにナ・リーグ優勝決定シリーズを制して呪いを解き、これで完全決別。レスターは「呪いなんて非科学的。最高のチームが勝つのさ」と笑った。

 レギュラーシーズンで両リーグ最多103勝を挙げ、20代前半の主力も多い。「ファン、フロント、選手ら全てが完璧に組み合わさった」とマドン監督。カブス時代の到来を予感させた。

 ◇カブス前回世界一VTR 1908年、フランク・チャンス選手兼監督率いるカ軍は、3年連続でワールドシリーズに進出してタイ・カッブらを擁するタイガースと対戦。第1、2戦を10―6、6―1で快勝すると、2勝1敗とされた第4戦は3―0で勝って王手。第5戦も2―0で勝利して大リーグ史上初のワールドシリーズ連覇を達成した。

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