広島・野村 2冠当確!マエケン超え16勝&勝率.842「最高」

[ 2016年9月25日 05:30 ]

<広・ヤ>単独トップの16勝目を挙げた野村はファンとタッチ

セ・リーグ 広島5―0ヤクルト

(9月24日 マツダ)
 レギュラーシーズン最終登板を最高の形で締めくくった。広島の野村はお立ち台で叫んだ。

 「最高にうれしいです!」。6回3安打無失点に抑え、15勝で並んでいた同僚のジョンソンを抜く16勝目。緒方監督は「明日(25日)2人を抹消する」と明言し、初の最多勝を単独で手にすることが確実となった。12年の新人王以来のタイトルに「なかなか獲れない賞。本当に、(勝ち星を)積み重ねてよかった」と甘いマスクを崩した。

 ここ2年は1桁勝利に終わった。5年目を迎えた今季。「先生みたいな存在」という黒田から学んだ「不動心」で投げ続けた。調子の良しあしで左右されないこと。好調時のイメージを追い求めるのではなく、その日の状態を受け入れて投球を組み立てた。25度の先発で5回を持たなかったのは1度のみ。海を渡ったエース前田(ドジャース)の抜けた穴を見事に埋め、25年ぶりのリーグ優勝に導いた。昨季の前田に続く最多勝。16勝は15勝が最多だった前田を上回り、球団では94年の紀藤以来22年ぶりだった。

 10日のリーグ優勝決定後、母校・明大の善波達也監督からメールが届いた。「優勝おめでとう。日本一も目指してくれ」。大学4年生時の明治神宮大会で自身初の日本一に輝いた。喜びを分かち合った恩師からの言葉に、プロ野球の最高舞台で日本一をつかみ取る思いをあらためて強くした。

 奪三振は91。100奪三振未満の最多勝は98年のヤクルト・川崎以来18年ぶりで、持ち味の打たせて取る投球が光った証でもあった。16勝3敗で最高勝率(・842)のタイトルも手中に収めた。「これからは短期決戦。まだ時間はあるのでベストの状態で向かいたい」。投手2冠の27歳は切り替えた。32年ぶりの日本一をもたらすために。

 ▼ヤクルト・杉村チーフ打撃コーチ 野村はカットを覚えて球の質がすべてよくなっている。本当にいい投手。制球力と緩急にやられた。

 ≪紀藤以来16勝≫野村(広)が6回無失点で16勝目。チームで16勝以上は94年紀藤の16勝以来22年ぶりとなった。また、セの最多勝争いでジョンソン(広)を抜き、単独トップに浮上。勝率も.842までアップし、セの1位をキープしている。広島で防御率、勝利、勝率、奪三振のうち2部門以上で1位に輝くと、10年の前田健(防御率、勝利、奪三振)に次ぎ7人目。うち、勝利と勝率で1位は86年の北別府以来30年ぶり2人目になる。

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