ハム 球団タイ83勝目でM5!増井は8月先発転向で6連勝

[ 2016年9月25日 07:20 ]

<日・楽>6回無失点で9勝目を挙げた増井

パ・リーグ 日本ハム4―1楽天

(9月24日 札幌D)
 球団タイでM5!!首位・日本ハムは24日、楽天戦でシーズン83勝目を挙げ、東映時代の1961年にマークした球団記録に並んだ。先発の増井浩俊投手(32)が6回2安打無失点と好投し、自身6連勝で今季9勝目。8月に守護神から先発に転向後は6勝1敗、防御率1・10と驚異の成績で、快進撃の原動力となっている。2位・ソフトバンクも勝ったために優勝マジックは1つ減って5となり、最短Vは27日。歓喜のゴールに一歩前進した。

 最後はベンチの最前列に立っていた。9回のマウンドには宮西がいる。1点を返されてなおも2死一、三塁。一発で同点という場面で、増井は声を張り上げていた。

 「宮西もたくさん投げてきた中で頑張っていた。一生懸命応援しようと思った」。昨季は球団タイの39セーブを記録。以前なら、そのマウンドに自分がいた。ブルペン陣の柱として2人で何度もピンチを切り抜けてきた盟友がペレスを空振り三振に斬ると、ようやく笑みを浮かべた。

 6回を2安打無失点8奪三振の力投で今季9勝目。8月に先発転向し、8月18日のオリックス戦(札幌ドーム)から自身6連勝で、優勝マジックを5に減らした。それでも、初回は先頭から2者連続四球と苦しかった。

 「ストライクが入らない。ヤバイと思ったが、ちょっとクイック気味で投げて修正した」。150キロ台が連発していることを確認し、自ら力んでいることに気づいた。そこでコンパクトなフォームに切り替えながら脱力して投球を立て直した。

 絶対的守護神と期待されながら結果を残せなかった。6月19日の中日戦(ナゴヤドーム)で3点リードの9回に2失点して2軍落ち。その後、先発転向を栗山監督から通達されたが「最初は何を考えているのか理解できなかった」と振り返る。クローザーでなくても、リリーフとしてチームに貢献したいと伝えた。

 しかし、指揮官も譲らなかった。そんなとき声を掛けてくれたのが武田勝だった。「納得いかないこともあっても、やるしかない」。通算82勝のベテランは今季1軍昇格していなかった。小さなこだわりも吹っ切れた。

 今季クローザーとして防御率6・30だった増井だが、先発では6勝1敗、防御率1・10。これは大谷の数字もはるかにしのぐ、リーグ屈指のスターターに変身した。「まさか、こんなに勝てると思っていなかった。今となっては監督の判断もありがたい」。次回先発は今季最終戦となる30日のロッテ戦(札幌ドーム)が有力で、プロ7年目で初の2桁勝利がかかる。当日は武田勝の引退セレモニーも開催される。増井は、リーグ優勝と新たな姿を先輩に見せてラストを締めくくる。 (横市 勇)

 ▽61年の東映 前年まで巨人を指揮した水原茂監督が就任し、Bクラスが定位置のチームが序盤から快進撃。首位の南海を追走し、9月に11連勝をマークして首位を奪った。最後はゲーム差なしで迎えた南海との直接対決に3連敗して優勝はならなかったものの、ナインはこの経験を翌年の初優勝につなげた。最終成績は83勝52敗5分けの2位。土橋が30勝(16敗)を挙げ、21歳の張本が打率・336で初の首位打者に輝いた。

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