藤浪がつづる優勝に懸ける思い、プロ4年目で「感覚」の境地へ

[ 2016年2月16日 17:12 ]

11日の紅白戦に登板し最速156キロをマークするなど2回無失点に抑えた藤浪

 4年目のテーマは「感覚」―。阪神の藤浪晋太郎投手(21)が、自身初となる定期コラムをスポニチで執筆する。記念すべき第1回目の『晋意』では、今年の個人テーマを紹介。さらに藤川球児投手の存在、優勝にかける思いなどを赤裸々につづった。

 今年から定期コラムを書かせていただくことになりました。スポニチ読者の皆さま、どうぞ、よろしくお願いします。

 さて、14日で第3クールが終わりました。自分の投球の仕上がりはまだ半分くらいですね。11日の紅白戦で投げた感覚としては6割そこそこ。もっと良くなると思っています。球速どうこうではなく球質や変化球の精度が、という意味です。

 去年のシーズン途中から出てきた、良い感覚をしっかりとモノにすることをテーマにしています。何を変えるかと言われたら感覚としか言いようがありません。今まではインステップ修正、脱力、腕の縦振りなど外から見て分かりやすい課題がありましたが、今年は感覚として精度を高めることがテーマ。自分で「指にかかった」と思える割合を高めるにはどうしたらいいかを追求しています。他にも直球の質、コーナーに決める制球力、遅い変化球の引き出し、フォークをもっと決め球に使うには…などのテーマが頭の中にあります。

 11日には故障後初の実戦に臨みました。結果として2回無失点に抑えましたが、別に何点取られてもいいと思っていました。ピークを合わせるところが違うので。1年目はキャンプまでに体を仕上げてブルペンでバリバリ投げられる状態にして来ましたが、今は余裕を持って、自分の考えでやらせてもらっています。

 オフはマエケンさんがメジャーに行かれたこともあり、鳴尾浜で1人で自主トレをしました。正直、不安もありました。自分でどうするかを考えないといけないですし、それによって失敗とかも起こりうるので。でもこの時期はこういうメニューがいい、というのは知識としてある程度持っていたので、それに沿ってやりました。今の体重は96キロくらい。増量効果を実感するのはまだ先と思います。実感できるレベルにピッチングが行っていないので。自分の状態が上がりきっていないのか、上がっている途中なのか、去年の6割と思った状態と現時点の6割が違うのか。10割が無いゆえに比較はできません。

 藤川球児さんが阪神に復帰されました。自分もいろいろアドバイスをいただいています。アメリカに行っておられたので、トレーニングに関しては「向こうの人がこうしているよ」という話を聞きます。自分のピッチングに関しても、いろいろと考えておられる方なので勉強になります。ただ、あの真っすぐは真似できるものではありません。教えてもらって投げられるというものではない。どういう感覚で投げているかは人それぞれ別々だと思っているので。

 開幕まで、1カ月ちょっとになりました。金本監督から期待していただいていることは素直にうれしいです。ハッパをかけてもらえたら、頑張ろうと思いますから。ただ19勝とか20勝は簡単な数字ではないので…。でも可能性はゼロではない。先発投手なら毎年、目指すべき数字でしょうから目指したいと思います。

 今の時期、スポーツ新聞などでは開幕投手が誰か…という話題が大きなトピックのようです。ただ誤解を恐れず言えば、自分は優勝することに比べたら、開幕投手はちっぽけなものだと思っています。阪神に入団してから3年間は2位、2位、3位。シーズン終盤まで首位争いをしたり、いいところまでは行っています。でも優勝できていない。そのもどかしさ、悔しさがあります。今年こそ優勝できるよう頑張りますので応援、よろしくお願いいたします。(阪神タイガース投手)

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