メジャーでも導入 楽天の“風船トレーニング”一体、何のために…

[ 2016年2月16日 08:42 ]

寝転びながら、風船をふくらますトレーニングを行う(奥から)楽天・戸村、青山

 今月11日まで行われた楽天の沖縄・久米島キャンプ。毎朝、異様な光景が広がっていた。投手陣が寝転がって、風船を膨らます。一体、何のトレーニングなのか…。発案者の星洋介トレーナー(36)に尋ねた。

 「肺は右肺の方が左肺に比べて大きい。だから、疲れてくると右肺の呼吸に頼るんです」

 人間の肺は右が上葉、中葉、下葉の三葉で、左肺は上葉、下葉の二葉からなっている。そして、肺は横隔膜の伸縮によって膨らみ、呼吸を行う。

 星トレーナーによると、右肺に頼って呼吸をすると右側の横隔膜が太くなり、自ずと右側の腸腰筋が強くなるという。腸腰筋は股関節や腰回りの動きを支える筋肉。左右どちらかが過剰に鍛えられると、骨盤の歪みにつながる。右側の腸腰筋が強くなると、骨盤が右回旋、つまり右側が出る形になり、左肋骨が浮き、右肩が自然と下がってしまう。右投手は投球時に体が開きやすくなり、左投手は踏み出す右足がすぐ地面に着いてしまうため、粘りがなくなるという悪影響が起きる。

 この歪みを直すため、風船を使ったトレーニングを行っているのだ。「Postural(姿勢)」、「Restoration(再構築)」、「Institute(組織)」の頭文字を取った「PRIエクササイズ」と呼ばれており、大リーグ・ダイアモンドバックスのトレーナーも取り入れているという。

 写真を見れば分かるように膝、股関節ともに90度に曲げて仰向けに寝転び、風船に呼吸を送り込みながら、歪んだ部位を元あった形に戻していく。日本球界では球団単位で採用している例が少ないため、見慣れないトレーニング方法に少し驚いたが、星トレーナーは昨年からエースの則本や守護神の松井裕にこのトレーニングを導入し「体に対して良い反応が出た」と、今キャンプから他の投手陣にも取り入れた。

 「このトレーニングで体や姿勢が修正されて、勝利につながれば」と星トレーナー。2年連続最下位の悔しさは選手もスタッフも同じ。勝ちたい気持ちは風船のように膨らんでいる。(徳原 麗奈)

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