ヤク山田 恐るべし4打数連発!史上初3冠トリプルスリー射程

[ 2015年8月23日 05:30 ]

<ヤ・中>6回2死一、三塁、3ランを放ち前日からプロ野球タイの4打数連続本塁打を放った山田(中央)は川端(左)と比屋根に迎えられる

セ・リーグ ヤクルト13-2中日

(8月22日 神宮)
 これぞ「山田劇場」だ!ヤクルト・山田哲人内野手(23)が22日、中日戦で3本塁打を含む4安打7打点と爆発した。21日の最終打席から1四球を挟み、4打数連続本塁打は史上19人目のプロ野球記録。球団では古田、バレンティンに続く3人目だ。3試合連発の本塁打は自身初の30本の大台に乗せ、31本は2位に9本差と独走状態。1項目をクリアしたトリプルスリーどころか、セ・リーグでは86年のバース(阪神)以来となる3冠王も視界に捉えた。

 末恐ろしい23歳だ。神宮球場に一人で3発の花火を打ち上げた。前日から4打数連続本塁打の離れ業に、山田の表情も自然と緩んだ。

 「ほんと、ビックリしています。まさか自分が打てるとは思っていなかった。記録にも並べたし、うれしい」

 初回の29号ソロはバットの先っぽでも左翼席へ運んだ。四球を挟み、5回無死二塁で放ったアーチは自身最多の30号に到達。「目標にしていた。昨年の成績も超えられたし、そういう意味では打ててよかった」とうなずいた。3割30本塁打30盗塁の「トリプルスリー」へ、30試合を残して早くも1項目クリアした。

 「一番手応えがあった」と振り返ったのが、6回の第3打席。2死一、三塁から左翼席へ弾丸ライナーを突き刺した。野球人生で「記憶にない」という1試合3発。新記録が懸かった8回の第5打席も左前適時打で、7打点の荒稼ぎだ。トップに立つ畠山の84打点に5差。打率も・334で、同・335の川端に肉薄した。史上初の「トリプルスリー+3冠王」へ、同僚2人を追いかける。

 本塁打。山田にとってそれは「凄いもの」と話す。「なかなか打てないものだし、球場のファンのボルテージが一気に上がるから」。幼少期に巨人ファンだった山田少年が、いつも目を輝かせて見ていた打者が、日米通算507本塁打の松井秀喜だった。「いつも本塁打を打っていて凄かったなあ。僕はホームランバッターじゃないから」と話すが、天性のスイングスピードで細身な体ながら長打を量産している。この日の試合前練習で、杉村打撃コーチから「神宮での試合が続くから、30本目を神宮で打とう」と言われ「頑張ります」と答えた。今季4度のマルチ本塁打は全て神宮球場と、ヤクルトファンを魅了している。

 前日の敗戦でチームは借金生活に入った。試合後に畠山と大引が声を掛け、選手ミーティングを行い「切り替えて残りの試合を頑張っていこう」と一つになった。チームは勝率5割に復帰。再スタートの一戦で見せた驚がくの打撃に、真中監督も「手がつけられないね」と目を丸くした。山田の存在が、記録にも記憶にも刻まれた夜となった。 (町田 利衣)

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