日生 サヨナラ王手!清水11回154球完封、上西殊勲打で18年ぶり

[ 2015年7月29日 05:30 ]

<日本生命・王子>日本生命先発の清水は6安打完封勝利

第86回都市対抗野球第11日・準決勝 日本生命1―0王子

(7月28日 東京D)
 準決勝2試合が行われ、日本生命(大阪市)が18年ぶり4度目、大阪ガス(大阪市)が15年ぶり2度目の決勝進出を果たした。歴代最多の57度出場を誇る日本生命は、延長11回、王子(春日井市)との息詰まる投手戦を制し、1―0でサヨナラ勝ち。左腕の清水翔太投手(23)が6安打完封した。大阪ガスは、5―2で三菱重工広島(広島市)で振り切った。29日に行われる決勝は64年ぶりの大阪市対決となった。

 白球が外野に転がった。「うわっ!抜けた」。ベンチで見守っていた清水がつぶやいた。延長11回1死三塁から上西が左前へサヨナラ打。154球の熱投が報われ全身の力が抜けた。「ほんと、良かったっす」。入社2年目、殊勲打のヒーローを笑顔で迎えた。

 息詰まる投手戦。相手の近藤も譲らない。「接戦は予想していた。(近藤さんは)凄い投手」と、互いにスコアボードに「0」を並べた。4回には2死満塁のピンチ。長打のある船越を1ボール2ストライクと追い込み外角へのチェンジアップで空振り三振に斬った。

 終盤は意地の張り合い。直球の球威が落ち、「捕手と相談してチェンジアップを増やした」。11回1死一塁の場面では4番の小林をそのチェンジアップで遊ゴロ併殺に打ち取った。そしてサヨナラ勝利を呼び込んだ。

 「チームメートには変人と言われる。天然なんです」と童顔をほころばせる。宿舎では同部屋の先輩・山本翔とトランプで「大富豪」に興じる。父は陸上、母は水泳のアスリート家系。恵まれた素質は毎晩寝る前に行う「筋膜リリース」で維持する。ストレッチボールで筋肉疲労を除き、スムーズに動く体をつくる。

 11回を投げ切り、6安打完封。今大会17回1/3を無失点の左腕を十河章浩監督も「気持ちが乗ったあんな投球見たことない」と称えた。18年ぶり4度目の黒獅子旗へあと1勝。「疲れはない」。清水は連投さえ見据えていた。 (君島 圭介)

 ▼日本生命・上西(延長11回サヨナラ打)結果を残せて良かった。追い込まれていたので積極的に振った。

 ◆清水 翔太(しみず・しょうた)1992年(平4)2月20日、岐阜県出身の23歳。恵那市の長島(おさしま)スポーツ少年団で小2から野球を始める。麗沢瑞浪―中京大。高3夏は県大会1回戦敗退。大学4年春は愛知大学野球リーグ1部昇格に貢献。最速143キロ。1メートル77、78キロ。血液型B。

 ≪51年大会以来≫日本生命と大阪ガスが決勝進出を決め、大阪市代表の優勝が確定した。決勝で大阪市ダービーが実現するのは全鐘紡が3―2で南海土建を下した1951年の第22回大会以来64年ぶり。全鐘紡はこの大会を挟んで3連覇を達成。全鐘紡の補強選手、松井実(日本生命)は第23回大会と2大会連続で橋戸賞を獲得した。

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