阪神・江越 トドメ打!打点挙げれば6戦6勝不敗神話

[ 2015年7月29日 07:49 ]

<中・神>6回1死一、二塁、鳥谷の遊ゴロで三進する江越

セ・リーグ 阪神6-4中日

(7月28日 ナゴヤD)
 阪神・江越大賀外野手(22)が28日の中日戦(ナゴヤドーム)で一挙6得点の逆転劇に貢献した。2点劣勢の3回、先頭打者で選んだ四球で攻撃の突破口を開き、一巡後の打席では中前へ2点適時打。打点を挙げれば6戦6勝の“江越神話”も誕生した。チームは広島に敗れたヤクルトと並んで同率首位に浮上。勝負の夏場を前に猛虎期待の新星の勢いは増すばかりだ。

 この若者が打点を挙げれば、猛虎は6戦6勝まで伸びた。まだ少し気が早いかもしれない。それでも高らかに呼びたい。新しい“不敗神話”が生まれたと。江越が虎に強運と勝運を引き寄せた。

 「甘い球を球種関係なくいこうと思っていたところに、甘めにきた球をとらえられた」

 場面は2点を追う3回だ。先頭打者で迎えた第1打席に四球を選び出塁すると打線がつながり打順は一巡。2度目の打席を迎えた時には逆に2点優勢に局面は変わっていた。なおも2死満塁で初球のシュートを狙い打った。「当たりは良くなかったけど飛んだコースが良かったです」。二遊間を抜く中前打で走者2人を迎え入れ、一挙6得点の猛攻を締めくくった。

 21日に再昇格を果たして以来、20打数7安打の打率・350。6打点の目覚ましい躍動。ファンを魅了するフルスイングは決して腕力だけでは生まれない。これまでの野球人生の苦しいトレーニングで鍛え上げてきた下半身がその強振を支えている。

 「ほんとマジで野球をやめたくなりましたよ。あれっきり、どんな苦しい練習も大抵のことは大丈夫です」

 時間は中学時代までさかのぼる。長崎県南島原市の西有家中学校野球部に所属していた江越は長距離が大嫌いだった。特に苦しんだのは土日のランニング。この2日間は学校から約6キロ離れた「みそ五郎の森総合公園」で練習があり、超難所だったアップダウンの激しい外周を懸命に走り込んだ。「野球が嫌いになりましたね」。いまでは笑って思い出しても当時は週末を迎える度に気分が悪くなったという。

 「あの時のおかげで足腰が強くなったという感想はありますね」

 最大の魅力とするフルスイングは決して天性の一言に片付けることはできない。中学時代に野球が嫌いになるまでやり込んで鍛えた肉体が、今の江越を支える大きな武器になっているのだ。

 「だいぶんボールは見えている」。6回にも球を見極めて計2四球。確実に結果を伴い、成長の真っ最中だ。勢いは止まらない。正中堅手の座は、もう射程圏内にある。 (久林 幸平)

 ≪甲子園以外で初H≫江越(神)が3回に2点適時打。打点を挙げた試合は、プロ初打点の4月28日ヤクルト戦から6連勝となった。今季は甲子園で41打数10安打なのに対し、他球場では試合前時点で8試合21打席に立ち19打数無安打。この日の2点打が甲子園以外で放った初安打となった。

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