虎引き立て役に…見せ場つくれず一夜限りで3位転落

[ 2014年9月6日 05:30 ]

<D・神>6回無死一、二塁、新井は空振り三振

セ・リーグ 阪神0-6中日

(9月5日 ナゴヤD)
 やられてる場合かいな! 阪神は5日の中日戦(ナゴヤドーム)で今季10度目の零封負け。再三好機を築きながら中日・山本昌を攻略できず、超ベテラン左腕に史上最年長勝利を献上してしまった。巨人、広島との優勝争いが続く中、あまりにも寂しい敗戦。広島が勝ったため、一夜限りで3位転落となった。

 優勝争いを演じる虎が、完全に引き立て役に回ってしまった。山本昌から5安打を放ちながら、5回まで無得点。あと一本が出ないじりじりするような展開に、和田監督も白旗を揚げるしかなかった。

「主導権を握れなかったな。緩いカーブを使いながら、相当な緩急をつけていた。もう一本出なかったね。焦って打ちに行ったところもあった」

 指揮官が振り返ったように、チャンスは何度もあった。初回1死三塁は鳥谷の二ゴロで、三塁走者・上本が本塁憤死。3回も2死一、二塁としたが、ゴメスが平凡な中飛に倒れた。2点を先制された直後の5回2死二塁は、鳥谷が外角真っすぐをとらえたが堂上直の好守に阻まれ遊直に沈んだ。「結果がすべて。コントロール、キレとも良かったです」。ツキにも見放される形となったが、鳥谷は敗戦の責任を背負った。

 決定的な分岐点となったのは、6回の攻撃だった。ゴメスが三ゴロ失策で出塁すると、続くマートンは右前へ運び無死一、二塁。山本昌が5回限りで降板しており、2番手・祖父江を攻略する気運は高まった。打席には8月9日の広島戦以来、スタメンに抜てきされた新井。指揮官は実績十分のベテランに勝負を託したのだった。

 「還すバッティングをしてほしかったから、そういう勝負に出た。こちらの責任です」

 だが、新井は空振り三振。続く狩野の打席では代打・今成を送ったが、左飛に倒れ、走者を進めることはできなかった。それでも、なお2死一、二塁と好機は続いたが、ここで捕手2人体制が足かせとなってしまった。和田監督が言う。

 「キャッチャーは2人だから、そう簡単には代えられない。その前で勝負をかけたから。つながっていれば、代打もあった」

 ベンチには関本、福留、伊藤隼も控えていたが、8番・鶴岡をそのまま打席に立たせざるを得えなかった。結果は見逃し三振で無得点。采配の手詰まり感も否めず、この攻撃を境に流れは一気に中日へと傾いていった。

 試合後、新井は悔しさを押し殺すように「他に聞いて」とだけ絞り出した。見せ場らしい見せ場もつくれず終わった、カード初戦。後に引かない一戦だったことが、唯一の救いだった。

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2014年9月6日のニュース