Kスタ宮城 総天然芝化!来季開幕へ今オフにも工事へ

[ 2012年8月28日 06:00 ]

仙台市にある楽天の本拠地・Kスタ宮城。全面天然芝に改修する計画が進められている

 Kスタ宮城がボールパークに生まれ変わる!楽天が宮城県仙台市内にある本拠地・Kスタ宮城を全面天然芝に改修する計画を進めていることが27日、分かった。メジャーの球場がモデルで、実現すれば、下半身に故障を抱えるベテラン選手らの負担軽減にもつながる。球団は今月中にも同球場の所有者である宮城県との調整に入る。早ければ来季の開幕に向け、今季の全日程終了後にも改修工事をスタートさせる。

 目指すはメジャーのボールパークだ。人工芝から天然芝へ張り替えるための総工費は1億円以上となる見込み。冬季に雪が降る気候もあって管理費も増えるが、球団関係者は「お金がいくらかかるのかなどは問題ではない。いい球場を造ることがファンサービスでもあり、選手のサポートにもつながる」と明かした。

 04年オフの楽天の新規参入を受け、Kスタ宮城は大規模な改修をスタート。当時のフィールドは内野が土で外野が天然芝だったが、05年の開幕に合わせて内外野を天然芝に近い、毛足が長い人工芝に改修した。しかし、年数を経るごとに芝が圧縮され、数年前から内野だけでなく外野でも打球が高く跳ね上がるようになった。今季もエンタイトル二塁打でプレーが途切れ、三塁打や本塁クロスプレーを期待するファンがしらけてしまう場面が多々ある。

 さらに芝生の下にあるゴムが気温によって伸縮するため、不規則なバウンドが連発して内野手を悩ませている。遊撃の名手である松井も「気候が暑いと打球が跳ねる。だから春先より夏の方が跳ねる。極端に言えば同じ日でもデーゲームとナイターで跳ねる高さが違う」と話す。イレギュラーは故障につながりやすく、クッション性が高い天然芝に改修すれば下半身に故障を抱えるベテラン選手の負担も激減する。

 近年はメジャー帰りの選手も多く、楽天も10年オフには松井と岩村を獲得した。米国は天然芝が主流。7月にレイズを自由契約となり、去就が注目されている松井秀喜も両膝に故障を抱えており、以前は「人工芝でプレーするのは難しい」と話していた。仮に今オフ、日本球界復帰を決断した場合、楽天にとって、本拠地が天然芝であることは大きなアピールポイントになる。

 何よりナイター照明に照らされた天然芝で行われる試合はメジャーのような雰囲気を生み出し、観客動員アップにもつながる。今後、球団は所有者の宮城県と調整を重ね、ゴーサインが出れば今季終了後に天然芝への全面改修がスタートする。

 ▽日本のプロ野球の本拠地となっている球場は人工芝が主流で、内外野総天然芝は、広島のマツダスタジアムとオリックスが準本拠地として使用するほっともっとフィールド神戸の2つだけ(甲子園は内野が土で、外野が天然芝)。人工芝は天然芝に比べ維持費が安く、雨が多い日本の気候に適しているとされる。また多目的のドーム球場が多いため、イベントにも利用しやすい。一方、メジャーは90年代前半から天然芝化の流れが進み、現在は人工芝は30球場中、ブルージェイズのロジャーズ・センターとレイズのトロピカーナ・フィールドの2つだけ。人工芝は選手のケガにつながるとされ、否定的な意見が主流だ。

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2012年8月28日のニュース