壊れる前に決断 一二三に無期限投球禁止令

[ 2011年2月8日 07:33 ]

ノックの打球が腹に当たった一二三

 阪神のドラフト2位・一二三慎太投手(18=東海大相模)が7日、2軍高知・安芸キャンプの練習中に肩の違和感を訴えてブルペン投球を回避した。これを受けて首脳陣は無期限での投球練習禁止を決断。将来を見据えて大事を取った形だが当面は肩回りの筋力強化に励み“復肩”の道を探っていく。

 一二三に“異変”が起きたのはサブグラウンドでのキャッチボール中だった。遠投を途中で取りやめるとそのままブルペンに現れることはなかった。

 第2クール3日連続となるブルペン入りが予定されていたが、突然の投球練習の回避に中西2軍投手コーチは「肩の状態がしっくりきていない。しばらくはインナー系のトレーニングをやらないといけない。今のまま投げてもよくない。ブルペンは日を置く」と険しい表情で話した。すぐに2軍首脳陣、担当スカウトらが緊急会談し無期限でのブルペン投球の禁止を決断。本人にも通達した。

 一二三は「夏の大会から(違和感は)ありました」と告白した。昨夏の甲子園に出場した時から、肩の内部に多少の痛みを感じながら投球を続けてきたことが原因だった。杉本トレーナーは「壊れてしまっても困るので早い段階でストップした。病院に行くとか大きな問題ではないです。ブルペンは力を入れて投げるので様子を見ましょうかと話しました」と軽症を強調した。

 今後はキャッチボールやネットピッチで投球フォームを固めていき、肩回りの筋力強化に励んでいくことになる。一二三も「無理しないように(違和感が)大きくならないように」と落ち着いた表情で話した。

 サイドスローで150キロを投げるルーキー。とてつもない潜在能力を秘める右腕だけにキャンプ序盤での小休止は残念だが、すべては将来のため。中西コーチは「すべての準備が整えば大化けする可能性があるんだから。焦らせる必要はない。じっくりやらせる」とあらためて方針を口にした。輝ける未来を見据えての“冷却期間”であることは間違いない。

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2011年2月8日のニュース