向上 中野ジャスティンにプロ8球団熱視線!

[ 2010年7月13日 06:00 ]

<向上・三浦学苑>9回表2死、最後の打者・坂垣を三振にとりガッツポーズする向上・中野

 【神奈川・向上5―1三浦学苑】向上の中野ジャスティンが三浦学苑戦で完投発進した。初戦の重圧からか、初回に安打2本と四球で2死満塁とし、暴投で先制点を許す立ち上がり。復調のきっかけは自らのバットだった。3回に中前打で出塁し同点ホームを踏み、5回にも中前打。6回には左前適時打も放ち「緊張で下半身が使えず制球も悪かったけど、あれで乗っていけた」とうなずいた。

 「あいつの3安打なんて見たことない」と平田監督も目を丸くした。打順は9番で「投手に専念させたいからじゃなくて、本当にあてにしてないから」と言うが、打撃でリズムをつくり投球も尻上がりに。中盤からは最速142キロを記録した直球からスライダー中心に切り替え、4安打1失点で8三振を奪った。
 日米ハーフの父を持つクオーターの初戦に、ネット裏にはロッテ、阪神など8球団のスカウトが集結した。「真っすぐの制球に苦しんでいたが、それさえ決まればもっと上が目指せる」と中日の石井スカウト。3回無死一、三塁のピンチは三塁走者をけん制で刺すなど、センスの良さを随所に見せた。
 「自分の投球内容よりチームの勝利だけを意識していきたい」とグレーの瞳を輝かせた中野。今春つまずいた初戦を切り抜け、創立100周年の節目に春夏通じ初の甲子園を目指す。

 ◆中野 ジャスティン(なかの・じゃすてぃん)1992年(平4)6月17日、神奈川県生まれの18歳。小学2年から野球を始め、神奈川・大和の南林間中では2年時に全国大会ベスト16が最高。向上では1年秋からベンチ入りし、2年秋に背番号1を手にした。家族は母と妹。1メートル81、71キロ。右投げ右打ち。

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2010年7月13日のニュース