マエケン逆境に燃えた!連敗止めて、初の10勝目

[ 2010年7月1日 22:04 ]

完投で今季10勝目を挙げ、雄たけびを上げる広島・前田健

 【広島】チームが逆境にあるからこそ、広島の前田健は燃えた。チームは巨人に開幕から8戦全敗中で、負ければ自力優勝の可能性がなくなる一戦だった。「悔しかったので、おれで勝ってやろうと思った」。4安打1失点完投で、4年目で初めて10勝に到達した。

 巨人に連敗中、野村監督は相手に向かっていく気持ちの弱さを嘆いていた。だが前田健は「今シーズンは調子がいいし、相手は関係ない」。ピンチでも相手を見下ろすように、顔色は変えなかった。
 気迫とその野球センスの高さを発揮したのは三回1死三塁の場面。内海への4球目で三塁走者がスタートしたのを見て、瞬時の判断でスクイズを外す。結果は空振り三振で走者もアウトにした。
 意表を突かれた攻撃をしのぐと、その後は曲がりが遅いスライダーでアウトを重ねた。絶好調の阿部も「あのスライダーは打てない」と舌を巻くしかない堂々の投球だった。
 自身初の2けた勝利を挙げたが、右腕は「通過点。勝てるだけ勝って、一つずつ積み重ねていく」と満足感はない。チームの柱に成長しても、22歳の若きエースはまだまだ貪欲だ。

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2010年7月1日のニュース