黒田 完全試合間近の1安打完封

[ 2008年7月9日 06:00 ]

ブレーブスを1安打無四球完封し、ガッツポーズするドジャースの黒田

 【ドジャース3―0ブレーブス】惜しい!ドジャースの黒田博樹投手(33)が7日(日本時間8日)ロサンゼルスでのブレーブス戦に先発し、メジャー史上16人目の快挙を逃した。7回まで1人の走者を出さないパーフェクト投球。しかし、8回の先頭打者に右翼線二塁打を許した。それでも被安打はこの1本だけで打者28人で料理する自身メジャー2度目の完封勝利で5勝目(6敗)をマーク。チームを地区首位タイに押し上げた。

 打球が右翼線に弾んだ瞬間、スタンドから大きなため息が漏れた。ブ軍の4番テシェイラは黒田のこの日唯一の失投、甘く入ったスライダーを見逃さなかった。近代野球(1901年以降)で15度しかない完全試合への希望は、あと6人でついえた。ため息はすぐに大歓声に変わる。マウンドの18番に送られた拍手は鳴りやまなかった。
 「ベンチの雰囲気、ファンのプレッシャーは強かった。でも、あの球が打たれなくても、その後に打たれていた。そう思わないと悔しくて」
 笑顔で振り返るほど“パーフェクト”な内容だった。左打者を7人並べたブ軍に対し、直球、スライダーで内角を意識させ、シュート、ツーシームの外への球を有効に使った。この試合前まで対左打者は被打率・270と苦手としていたが「内にしっかり投げられたから外が生きた」。4回には両リーグトップの打率・384を誇るC・ジョーンズを外角低め94マイル(約151キロ)直球で空振り三振に仕留めた。捕手マーティンは「あれがきょうの黒田の素晴らしさ。キャッチボールをしている感覚だった」と“2人の世界”を堪能した。抜群の制球力に加え、最後の91球目に96マイル(約154キロ)を計測するなどスピードも十分だった。
 6月19日に右肩腱炎で故障者リスト(DL)入り。復帰初戦となった2日のアストロズ戦で7回無失点と好投したが、不安は消えていなかった。「肩には今まで以上に敏感になっていた」とエクササイズ、治療の量も増やした。その中での自身初の連勝、16イニング連続無失点。試合後はグラウンドで初めてテレビ局のヒーローインタビューを受け「期待に応えられなくて悔しい思いもしていたので、こういう形でアピールできたのは大きい」と帽子を取って、地元ファンの大歓声に応えた。
 ヤンキース時代、2度の完全試合に立ち会っているトーリ監督は「限りなくパーフェクトゲームに近い投球だった」と言った。5月11日のアストロズ戦でも7回2死まで無安打の快投を演じた。ド軍では96年の野茂英雄を最後に、ノーヒットノーランも出ていないが、制球力と球威を併せ持った黒田ならド軍の歴史に名を刻む日は近い、そう思わせる91球だった。

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