巨人 藤川崩したが…自力Vもう消滅

[ 2008年7月9日 06:00 ]

<阪神・巨人>6回1死一・三塁、ラミレスの投ゴロで三塁走者・高橋由が飛び出しタッチアウト

 【巨人3―5阪神】険しい表情でベンチを出た。9回、阪神・藤川の制球難で2点差とし、なおも2死満塁。一打同点の場面で打席には代打・鈴木尚。カウント0―1からの2球目は外角高めの際どいコースへ。渡田球審のひと呼吸を置いてのストライクコールに巨人の原監督は目を見開いて抗議した。それだけ1球が重みを持っていた。結局、鈴木尚は遊飛。78試合目で早くも自力Vが消滅した。

 「前半の攻防で相手との差が出た。相手(阪神・岩田)の調子そのものはいいとは思わなかったけどね。あと1本の差でしょう」。敗因を分析した原監督は、重苦しい会見を早々に打ち切った。
 好機をつぶし、勝機を逸した。2点を追う2回は、1死満塁で岩舘が二ゴロ併殺。4回1死一、二塁では、阿部が止めたバットにボールが当たって三ゴロ併殺に倒れた。苦手の岩田には、これで3連敗。9回にラミレスが2試合連発の24号ソロを放つなどして追い上げただけに、悔やまれる拙攻だった。
 阪神の独走もあり、1敗でもすれば自力Vが消える重要な3連戦の初戦。上昇気配だった打線が主導権を奪えなかった。伊原ヘッドコーチも「自力V消滅?去年もそのフレーズは何度も聞いた」と複雑な表情。9回の鈴木尚のストライク判定については「あれはひどい。完全に外れているのにストライクと言ってゆっくり手を上げるんだもの」と憤りを隠さなかった。
 これで阪神と今季最大の13ゲーム差。「自力V消滅は仕方ない。残り試合で全力を尽くす」とラミレス。まずは目の前の勝利をどん欲に取りにいくしかない。

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2008年7月9日のニュース