伊東勤氏 「その気にさせる」巨人・阿部監督の選手起用が生んだ逆転劇

[ 2024年4月13日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人9-4広島 ( 2024年4月12日    東京D )

<巨・広>オコエ(右)とハイタッチする阿部監督(撮影・西川 祐介)
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 【伊東勤 視点】巨人の逆転劇は選手を信頼して送り出す阿部監督の采配が演出したものだ。6回は1番・萩尾、2番・佐々木と続く打順。2人とも第1、第2打席は九里に手玉に取られていた。昨年までなら代えられてもおかしくない内容だったが、阿部監督はそのまま打席に送った。萩尾は2球目、佐々木は初球を思い切りよく振って出て連打。九里に食らいついた。

 1点差に迫った2死満塁では、オコエが外角スライダーをバットの先っぽで捉える中前打。きれいな当たりではなかったが、もらった出番で結果を残すという強い気持ちが乗り移った打球。これも競争意識を持たせ選手をその気にさせる阿部監督の選手起用が引き出したものだ。

 2軍監督、1軍ヘッドコーチを経験。チーム全体を掌握している新監督は迷いなく選手を使っている。6回からバッテリーを入れ替える思い切りもある。昨年までベンチを気にして萎縮しているように見えた選手がベンチの後押しで躍動。今年の巨人はひと味違う。(スポニチ本紙評論家)

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