アスレチックス移籍の藤浪が“メジャー第一声” 夢の大谷との対決へ「楽しみです!」

[ 2023年1月15日 05:00 ]

アスレチックス入団が正式発表された藤浪

 阪神からポスティングシステムを利用して大リーグ・アスレチックスと1年契約で大筋合意していた藤浪晋太郎投手(28)の入団が14日、両球団から正式発表された。入団会見は日本時間18日午前4時30分からカリフォルニア州オークランドの球団事務所で行われる。ついに夢の扉を開いた右腕は、本紙に“メジャー第一声”を寄せて決意表明。同じア・リーグ西地区のエンゼルス・大谷との再戦にも意気込んだ。

 新天地の公式ツイッターが「藤浪晋太郎選手、アスレチックスにようこそ」と入団を正式に発表した直後、藤浪は胸の高鳴りをそのまま言葉に乗せた。

 「素直にうれしく思いますし、チャンスを与えてくれたアスレチックスとオークランド、携わってくださった、みなさんに感謝したいです!」

 近年は満足のいく成績が残せない中でも本人の希望を尊重してポスティングを容認してくれた阪神球団、契約をまとめた代理人、そして静かに見守ってくれた家族、同僚…背中に感じてきた数々の後押しへの感謝が、メジャーリーガー・藤浪の第一声になった。

 期待されるのは、同じア・リーグ西地区のエンゼルス・大谷とのマッチアップ。公式戦では阪神時代の13年以来10年ぶりとなる再戦へ、少々自虐的になりながらも意気込んだ。「はるか遠い次元にいってしまった同級生ですが、対決の可能性があることをうれしく思いますし、楽しみです!」。日米のファンをくぎ付けにするビッグマッチをなんとか実現させるためにも、夢舞台で待ち受ける競争に勝たなければいけない。

 「先発のチャンスがあると聞いてますし、その気でスプリングトレーニングに取り組みたいですし、アピールしていきたいです」。現時点でも藤浪を含めて11人いる先発候補とローテーション入りを争う。先発でのメジャー契約を希望してつかみ取った1年契約。力を発揮できなければ中継ぎへの配置転換、開幕を前にしてのマイナー降格もあり得る。夢への挑戦はそんなシビアな局面から始まるが、覚悟を決めている。

 メディカルチェックと正式契約のため日本時間の11日に渡米。オークランドへ向かう飛行機の中ではブラッド・ピット演じるビリー・ビーンGMがセイバーメトリクスなどのデータを駆使してアスレチックスを再建した映画「マネーボール」も観賞したと言い「アメリカ行きの飛行機で見ました。歴史と伝統ある球団」と語った。

 同18日にはオークランドの球団事務所で入団会見が開かれる。タテジマを脱ぎ、新たなユニホームに袖を通した瞬間、藤浪晋太郎の第2章が幕を開ける。(遠藤 礼)

 《菊池雄星上回る昇給率749%》藤浪の22年年俸は推定4900万円。ポスティングでメジャー移籍した日本選手では初の1億円未満からの移籍になった。一方、今季の年俸は1年契約の325万ドル。日本円換算で約4億1600万円となり、昇給率は749%。過去のポスティング選手の契約を1年あたりの金額に換算した場合、為替レートの差もあるが、18年にマリナーズと3年総額4300万ドル(約47億7300万円)で契約を結んだ菊池雄星の昇給率563%(2億4000万円→1年あたり約15億9100万円)を上回る最大昇給率になる。また、阪神への譲渡金は約8320万円となる。

 《大谷はインスタで渡米報告》エンゼルス・大谷がインスタグラムでメジャー6年目に備えて渡米したことを明かした。「Good bye Japan Hello US」と書き込み、飛行機の機内食や窓から見た夜景の写真などを投稿した。既に3月のWBCに出場することが決定。2月13日(日本時間14日)までにアリゾナ州テンピのキャンプ地に集合し、15日(同16日)に初日を迎える。同17日からの侍ジャパンの宮崎合宿への合流時期は未定となっている。

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