【杉谷拳士の名場面】“スギノール”誕生!史上19人目の左右両打席本塁打 でもベンチでは…

[ 2022年10月28日 14:51 ]

パ・リーグ   日本ハム11―2楽天 ( 2019年5月23日    札幌D )

2019年5月23日の楽天戦の5回に本塁打を放った杉谷
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 日本ハムの杉谷拳士内野手(31)が28日、札幌市内の球団事務所で会見を行い、今季限りで現役引退することを表明した。花束贈呈では侍ジャパンの栗山英樹監督が登場。杉谷は涙を浮かべる場面があった。ファンからも愛された杉谷。史上19人目の左右両打席本塁打を放った2019年5月23日の楽天戦の紙面記事から振り返る。

 球界屈指の“いじられ屋”が、まさかの「スイッチ弾」だ!日本ハム・杉谷拳士内野手(28)が23日、楽天戦の5回に右打席で今季1号ソロを左翼席へ運ぶと、6回には左打席で右越え2号2ランをマークした。自身初となる2打席連発。プロ11年目にして通算10本塁打のバイプレーヤーが史上19人目、日本人では8人目となる快挙を達成し、チームの連敗を4で止めた。

 札幌ドームがどよめいた。「マジか…」。打った杉谷本人も驚きの表情を浮かべた。左右両打席の一発は、球団では07年のセギノール以来12年ぶり。「いじられ屋」としての本領も発揮した。今季初アーチを打っても、ベンチ前でのハイタッチがない。2打席連発してもナインから無視されると、自ら鶴岡に抱きついた。今季2度目のお立ち台。ここでも軽妙なトークでファンを笑わせた。

 「メジャーはサイレント・トリートメントですけど、あれはサイレント・サイレントで、ただの無視ですよね。セギノール以来ということで、これから“スギノール”として頑張っていきたいです」

 左腕・辛島対策として両打ちの28歳が「2番・中堅」で先発出場。初回に先制の中犠飛を放ったムードメーカーは、5回に右打席で最初の快音を響かせた。ファウルを連発して粘り、10球目の直球を左翼席へ運んだ。6回は右腕・今野と対戦。左打席から矢のような低い弾道のライナーを右翼席に突き刺した。

 「いつか、もらったパワーが爆発する」と期待していたことが実現した。4月27日に札幌市内で旧知の仲である小林陵侑と食事。スキージャンプ男子で日本人初のW杯総合優勝を果たした22歳の若きスターと時間を共有した。特に感銘を受けたのは「ジャンプしている間は何も考えていない。無心です」という言葉。「打席では一喜一憂せずに集中しよう」と決意し、この日の2本につなげた。

 連敗を4で止めた栗山監督も「(本塁打は)見てなかった」と最初は杉谷をいじったが、「結果的に大きかった」と評価。開幕からなかなか波に乗れないチームにラッキーボーイ誕生の予感だ。

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