阪神、通算5500勝!佐藤輝「キモティー」98日ぶり甲子園弾 自身最長141メートル&最速177キロ

[ 2022年7月23日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2022年7月22日    甲子園 )

<神・D>6回2死二塁、中越えに2点本塁打を放ち、ナインとハイタッチをかわす佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 阪神は22日のDeNA戦に6―3で勝利した。1点優勢の6回2死二塁、4番・佐藤輝明内野手(23)が聖地では自身最長141メートル、同最速177キロの15号2ランをバックスクリーン左へ叩き込んだ。甲子園では実に4月15日以来98日ぶりの豪快“花火”を打ち上げ、節目の球団通算5500勝に花を添えた。チームは借金2とし、3位・DeNAに0・5差。23日にも2位浮上の可能性がある。勝率5割&Aクラスターンが現実味を帯びてきた。 

 まさしく、会心の一撃だった。火の出るような速度で飛び出した打球は、あっという間にバックスクリーン左に着弾した。聖地に詰めかけた3万7584人が目を奪われる。天性の“アーチスト”の真価を見せつけた佐藤輝は、悠々とダイヤモンドを一周。手に残る最高の感触をかみしめながら、喜びのコメントを発した。

 「ヤギ(青柳)さんが頑張ってくれていましたし、次の1点が大事になってくる瞬間だったので、打つことができてよかった。キモティー!」

 快感の一瞬は2―1で迎えた6回2死二塁に訪れた。京山が投じたやや甘めの140キロスプリットを完璧に捉えた。聖地の大歓声にも背中を押された打球は、15号2ランへと姿を変えた。21年シーズンから甲子園で開始されたトラックマン計測値表示で打球速度177キロ、飛距離141メートルはともに自己ベストを更新。「飛ばすとお客さんが喜んでくれるので、良かった」。甲子園では4月15日の巨人戦以来、実に98日ぶりの一打で、虎党の期待に応えた。

 「惜しい当たりもありましたし、(打撃の)感覚はどんどん良くなってきている」

 これが7月の初本塁打。とはいえ、この試合の2打席目にも左中間へ大飛球(結果は左飛)を放つなど状態は上向いており、打席内での感覚には手応えを感じている。復調気配を加速させるべく、この日の試合前には早出の打撃練習を敢行。北川打撃コーチとの二人三脚でフォームに微調整を加えた。「ちょっと(フォームの)調整をしながら。重心を落とし気味の方が良いかなと。(手応えは)あります」。流した汗は裏切らなかった。

 この日は球宴のホームランダービー出場も決定。2年連続選出に「ホームランダービーは別物なので、それはそれで楽しみたい」と不敵に笑った。ただ“お祭り”の前に、やるべきことが残る。

 チームは目下、借金2。前半戦で完済するには残り2戦の2連勝が必須だ。23日のDeNA先発は6月にノーヒットノーランを達成した今永。だが、もはや相手は関係ない。「しっかり練習して、もっと打てるように頑張りたいと思います」と佐藤輝。本来の姿を取り戻し、向かってくる敵を打ち払う。(石崎 祥平)

 《最長ブランク》佐藤輝(神)が6回に中越え15号2ラン。7月初本塁打で、6月30日DeNA戦の14号から15試合、60打席ぶりは今季の自己最長ブランクだった。新人の昨季は24本塁打。阪神で新人から2年連続15本塁打以上は田淵幸一(69年22本、70年21本)、岡田彰布(80年18本、81年20本)に続く3人目。左打者では初めて。

 《球団日本人選手では最長&最速》この日の飛距離は141メートル。これはトラックマンのデータ公表が始まった21年以降の甲子園では、昨季10月17日広島戦のロハス8号に並ぶ最長距離。打球速度177キロは前出の21年ロハス8号178キロに次ぐもの。日本人選手では最長&最速だ。

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2022年7月23日のニュース