広島・秋山、日本球界復帰後初の4安打 佐々岡監督も絶賛「アキが打つと盛り上がる」

[ 2022年7月23日 04:45 ]

セ・リーグ   広島5-2ヤクルト ( 2022年7月22日    神宮 )

広島・秋山
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 広島の秋山翔吾外野手(34)が22日のヤクルト戦で5―2の逆転勝利に貢献した。8回に放った起死回生の2号右越え同点2ランを含め、日本球界復帰後初となる4安打の固め打ち。これを起点に9回、小園の5号ソロで勝ち越し、代打・松山の1号2ランで突き放した。8回1イニングを零封した森浦が今季初勝利。ヤクルト戦の連敗を9で止めたチームは6月27日以来の勝率5割に復帰し、DeNAと入れ替わって2位に浮上した。

 鮮やかな放物線を描いた打球は、ファンの歓声とどよめきを誘って敵地の右翼席中段に着弾した。敵失につけ込んで2点劣勢を挽回し、ひと振りで球場の空気を変えた起死回生の一撃。9回の一発攻勢にもつながり、秋山は破顔一笑だった。

 「チームの助けになったと思うし、(大瀬良)大地が頑張っていたので良かった。いいカウントだったので思い切っていきました」

 憂色濃い終盤8回、2死から菊池涼が三ゴロ失で塁に出た。秋山はこの隙を逃さない。2番手・梅野がカウント3―1から投じたボール球の低めチェンジアップを冷静に見逃すと、真ん中高めに入った5球目の同じ変化球をひと振りで仕留めた。

 「4球目の見逃し方が自分としてはすごく良かった。直球をイメージしながら反射的に手が出たというか、甘く来たらしっかり振ろうと思っていました」

 15日の巨人戦以来の2号同点2ラン。伏線はあった。初回2死からの一塁内野安打。アウトの判定が広島側のリクエストでセーフに覆って「H」ランプをともすと、4回の先頭打者で左前打、6回先頭でも中前打を放ってチャンスメークした。

 「1打席目、全力で走っておいて良かったと思います(笑い)。何でもヒットが付くのは打者には薬。気分的に楽になって2本、3本と出た中で…」

 逆転勝利を呼んだ移籍後初の4安打。猛打賞は19年9月13日のロッテ戦以来、同じ19年6月4日の広島戦以来となる4安打に、佐々岡監督は「敵失に乗じてアキが一発で。あれでベンチのムードが上がった。アキが打つと盛り上がる。本当に大きかった」と絶賛だ。

 2000安打を個人目標に挙げていても、根底にはフォア・ザ・チームの思いが宿る。しかも努力家。だからこそ、34歳が打つとナインは盛り上がる。

 「大地があれだけ苦しい中で2点でずっといって、中継ぎ陣も。野手が何とかしなきゃいけない。そういうところが出ただけ」

 助け合いの精神が発言ににじむ。希代のヒットメーカー。そのDNAは、徐々にチームに浸透しつつある。 (江尾 卓也)

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