大の里 最速10勝 高校時代の寮母の声援に応えた「フレンチトーストがマジでうまい」

[ 2024年5月25日 04:45 ]

大相撲夏場所13日目 ( 2024年5月24日    両国国技館 )

宇良を押し出しで破る大の里(右)(撮影・西海健太郎)
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 3敗の新小結・大の里が宇良を圧倒して10勝目を挙げた。初土俵から7場所目での三役2桁勝利は昭和以降最速。幕下付け出しでは横綱・輪島の15場所を大きく更新する最速初優勝が現実味を帯びてきた。3敗対決で湘南乃海を退けた大関・琴桜と2人並んで首位。追う4敗勢は豊昇龍、阿炎、大栄翔、湘南乃海、欧勝馬の5人となった。きょう14日目には琴桜―阿炎、大の里―湘南乃海の3敗―4敗対決がそれぞれ組まれた。

 圧倒的なパワーに館内がどよめいた。大の里は立ち合い潜りに来た宇良を右の一突きで横向きにさせ、そのまま一直線。変則的な技を繰り出す相手との初対戦にも全く動じなかった。内容については「良かったです」とだけ答え、多くを語らず集中を高めた。

 首位を守って10勝目。17年秋場所の阿武咲以来史上2人目となる、新入幕から3場所連続の2桁勝利に到達した。三役での2桁勝利を初土俵から7場所目で達成するのは、10場所目に新小結で12勝を挙げた00年初場所の雅山(現・二子山親方)を超える昭和以降最速記録。まげを結ったばかりの新鋭が、早くも大関獲りの起点をつくった。

 この日、母校・海洋高相撲部の寮母で田海哲也総監督夫人の恵津子さんが国技館へ応援に駆けつけた。大の里にとっては母親のような存在で「毎日稽古がキツくて大変だったけど、恵津子さんの作るご飯が至福だった。特にフレンチトーストがマジでうまい」と懐かしみながら感謝する。そんな中高6年間の寮生活を支えてくれた恩人の声援は、初優勝へ向けて落とせない大事な一番で何よりの後押しになった。

 優勝戦線に絡むのは新入幕から3場所連続で、首位で迎える終盤戦は初めて。追われる立場はより重圧がかかるが「気にしていない。15日間取り切ることだけを考えている」と無欲を強調する。初土俵からわずか7場所目ながら、ここ2場所の優勝を逃した経験が着実に糧となっている。史上最速優勝へ向かう残り2日、成長の跡を示す。   

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