岡崎真氏　坂本、女王の意地　フリップ失敗直後の3回転トーループ

フィギュアスケート世界選手権第3日 （ 2023年3月24日    さいたまスーパーアリーナ ）

演技する坂本花織（撮影・長久保　豊）
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　【岡崎真の目】坂本が素晴らしかったのは後半の3回転の連続ジャンプのフリップが1回転になってしまったのに、すぐに続けて3回転トーループを付けたところだ。普段の練習からきちんと訓練されているからこそできることで、もしあの失敗で諦めていたらおそらく僅差で韓国の選手に負けていたはずで、ディフェンディングチャンピオンの意地が伝わってきた。

　北京五輪でメダルを獲り世界選手権でも優勝した後の今季は、気持ち的にモチベーションを保つのが難しかったと思う。当初はなかなか調子が上がらず苦しんでいたが、勝ち負けを繰り返す中で勝負勘を取り戻し、きっちりシーズン最後の試合に一番いい状態に持って来られたのは、坂本がすでにベテランの域に達しているということだろう。

　3年後の五輪はロシア勢が復帰するのかどうかで状況が変わってくる。3回転半や4回転ジャンプをどうするのか、もう一度五輪を目指すのであれば検討する必要がありそうだ。（ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ）