霧馬山 1差死守であるぞ逆転初賜杯!2場所連続2桁勝利で大関獲りも道開いた

[ 2023年3月25日 04:45 ]

大相撲春場所13日目 ( 2023年3月24日    エディオンアリーナ大阪 )

遠藤を送り出しで破る霧馬山(左)(撮影・後藤 正志)
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 新関脇の霧馬山が遠藤を送り出しで下し、3敗を守った。小結で11勝を挙げた初場所に次いで、三役で2桁勝利に到達。夏場所での大関獲りに前進した。小結・大栄翔は明生を突き出して2敗を守り、平幕の翠富士は関脇・豊昇龍に下手投げで屈し3敗に後退。大栄翔が14日目の翠富士戦に勝ち、3敗の霧馬山、若元春が敗れれば21年初場所以来2度目の優勝が決まる。

 優勝争いの重圧と連日満員の館内の熱気が霧馬山を包み込む。視線の先には百戦錬磨の遠藤。緊張から立ち合いで勇んで突っかけた。気持ちを落ち着けて2度目で立ったが、先手を取れず、はたいた。悪い流れに押しつぶされそうになったが、絶妙のタイミングで繰り出した「一撃」が勝負を決めた。右からのおっつけ。相手を後ろ向きにさせると、そのまま背後に回って送り出した。

 勝ち越しは昨年春場所から7場所連続と抜群の安定感を誇る。入門当時から足腰の強さには定評があったが、体重120キロ台と細めの体格が影響し、幕下で3年近く伸び悩んだ。しかし体重の増加とともに前に出る力がアップ。142キロと自己最高体重で迎えた初場所の11勝に次いで三役で2桁に到達し、大関獲りの道が開いた。佐渡ケ嶽審判長(元関脇・琴ノ若)も「ここからの一番一番が大事になってくる」と前向きに評価した。

 稽古の虫で有名だが、大阪入り前の出稽古解禁期間は荒汐、高砂、伊勢ケ浜、追手風部屋に出稽古。上位勢で最も精力的にライバルの胸を借りた。10日目からは無言を貫く。負けた時でも笑顔で取材に応じる力士の“異変”。それだけ初優勝を意識しているということか。1差でリードする大栄翔とは直接対決を残していることもプラスに働く可能性は高い。入門から8年で迎えたビッグチャンスに「一日一番」が口癖の26歳が静かに牙を研いでいる。

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2023年3月25日のニュース