飛距離、ミート率、振りやすさを追求した「常識を覆す」超軽量1W

[ 2021年10月22日 05:30 ]

「ファクターX」を手に笑顔を見せるハル常住氏
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 飛んで曲がらない――。ゴルファーの夢を実現してくれそうな1Wが現われた。人気クラブのファラオシリーズを世に送り出してきたハル常住氏(66)が、自身の最高傑作と胸を張る「ファクターX」がそれだ。柔らかくてしなりがある上に、低トルクでねじれが少ない41グラムの軽量高性能シャフトを装着。振りやすさとヘッドスピードの向上に徹底的にこだわった。来春の本格販売前に、このほど限定300本の先行販売が決定。その凄さの秘密に迫った。

 ゴルフ界のトレンドを一変させそうな驚きの1Wだ。これまで多くのゴルファーは“飛ぶクラブ”は硬くて長いと信じ込んでいた。だがファクターXのシャフトは柔らかく、一般的な1Wより短い。開発者のハル常住氏は、飛距離とミート率、そして振りやすさを極限まで追求した結果「常識を覆すスペックになった」とその完成度の高さに自信を示す。

 「飛距離を出すにはインパクトの強さが必要です。ただ(弾道計測器の)トラックマンを使って調べると、ヘッドスピードが出るクラブでなければ飛距離は伸びない。そうしたさまざまなデータを調べ、最大限にヘッドスピードを出せるよう試行錯誤して作ったのが、このクラブです」

 ポイントは「軽さ」「しなやかさ」「ねじれの少なさ」の3つ。ヘッドスピードを上げるためには軽くなければならないが、総重量300グラムを超える1Wが珍しくない中で同クラブは278グラムと超軽量。また、振りやすさのバロメーターとなるスイングバランスも通常の男性用がC8~D4(最少A0~最大E9)であるのに対し、実にB8だ。振りやすければミート率は当然上がる。さらにシャフトの長さも44・75~45インチと短めにし、コントロール性能を高めた。

 実は米ツアー屈指の飛ばし屋、B・デシャンボーも「B8のクラブを使っていた」とハル氏はいう。「彼の1Wは総重量も290グラムを切っています」。1メートル85、108キロの屈強な男でも、軽くて振りやすいクラブを使う時代。パワーのないアマチュアであれば、なおさらそうすべきだろう。ハル氏はデシャンボーのクラブのスペックを見て確信を得たという。ゴルフ界の科学者と呼ばれるデシャンボーと同じように、ファクターXも飛距離を追求する時代の最先端を行くクラブのようだ。

 さらに特筆すべきはそのトルクの小ささ。飛距離を出すにはシャフトのしなりが不可欠だが、これまでの常識では柔らかいシャフトになればなるほど、ねじれが大きくなり、その数値を示すトルクも必然的に大きくなった。だが、同1Wに搭載されたシャフトのトルクは3・6に抑えられている。低トルクだから、しなってもブレが少ないため当たり負けせずにミート率が高まる。ミート率が上がれば当然、飛距離は増す。また、ロフト角は8・5と10・5度の2タイプがある。ロフトが立っていればインパクトの衝撃力が増し、スピン量を抑えた力強いショットを打つこともできる。

 「歳をとっても飛ばしたい。そういう自分の願いを結果として表してくれるようなクラブが欲しくて作りました」。既にドラコン選手が試合で愛用するなど高い評価を受けている同1W。ゴルファーの“救世主”になりそうな革新的な新兵器だ。

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